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同一労働同一賃金が施行される今こそ、ライフキャリアを見直そう!

先日成立した『働き方改革法案』。

そこで、非正規社員と正規社員の格差をなくすことを目的として、『同一労働同一賃金』の原則が法律上のルールとして決定しました。

つまり、正規社員と非正規労働者の待遇に不合理な差をつけることを禁止するとして、基本給、諸手当、待遇などを見直されることになります。

そう考えると、自分が望む働き方を柔軟に選択できるようになり、ライフキャリアを考え直すことが大切になってきます。

今回は、同一労働同一賃金の原則とキャリアへの影響について考えてみます。

『同一労働同一賃金』が目指すのは、給与差の解消だけではなかった!

同一労働同一賃金とは

厚生労働省によると、同一労働同一賃金の概要を下記のように定義しています。

仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの

正規社員と非正規社員の間の不合理な待遇差を解消することで、どのような雇用形態を選択しても納得できる待遇が約束されます。

雇用形態にとらわれず、これまでよりも自由に、働き方を選択できる社会になりそうです。

同一労働同一賃金のガイドラインとは

同一労働同一賃金の目的である【正規社員と非正規社員の待遇格差の解消】に向けて、どのような待遇格差が不合理なものであるのかを示した政府のガイドラインが下記になります。

主な内容としては、基本給各種手当福利厚生や教育訓練について、均等・均衡待遇を確保することを定めています。

また派遣労働者の取扱に関しても、派遣先の労働者と同様の職責・職務内容であれば、均等・均衡待遇を確保しなければいけないとされています。

このように、基本給・昇給・各種手当といった賃金関連に留まらず、福利厚生や教育訓練の機会均等についてもガイドランが設けられました。

つまり、日本から「非正規雇用」という言葉が無くなることを目指している、とも取れますね。

今後、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から本改正の施行が実施されます

基本給の均等・均衡待遇の確保

  • 基本給が、職務・職業能力・勤続など、支払われる項目の対象が様々である現実を認めた上で、それぞれの項目の趣旨・性格に照らして、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。
  • 昇給についても、勤続による職業能力の向上に応じておこなおうとする場合には、同様の職業能力の向上には同一の、違いがあれば違いに応じた昇給を求める。
各種手当の均等・均衡待遇の確保

  • 賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、同一の貢献には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。
  • 役職手当についても、役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しようとする場合、同一の役職・責任には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。
  • そのほか業務の危険度等に応じて支給される特殊作業手当、交代制勤務などに応じて支給される特殊勤務手当、所定労働時間を超えて同一の時間外労働をおこなった場合に支給される時間外労働手当の割増率、深夜・休日労働をおこなった場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率、通勤手当・出張旅費、勤務時間内に食事時間がはさまれている際の食事手当、同一の支給要件を満たす場合の単身赴任手当、特定の地域で働くことに対する補償として支給する地域手当等については、同一の支給を求める。
福利厚生や教育訓練の均等・均衡待遇の確保

  • 食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設の利用、転勤の有無等の要件が同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を求める。
  • 病気休暇については、無期雇用パートタイム労働者には無期雇用フルタイム労働者と同一の、有期雇用労働者にも労働契約の残存期間においては同一の付与を求める。
  • 法定外年休・休暇に関しては、勤続期間に応じて認めている場合には、同一の勤続期間であれば同一の付与を求め、特に有期労働契約を更新している場合には、当初の契約期間から通算した期間を勤続期間として算定することを要することとする。
  • 教育訓練については、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施しようとする場合、同一の職務内容であれば同一の、違いがあれば違いに応じた実施を行わなければならない。
派遣労働者の取扱

  • 派遣元事業者は派遣労働者に対し、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施が求められる。
【参照元|厚生労働省
(注意)無期雇用フルタイム労働者とは、正社員を含む、無期契約・フルタイム・直接雇用の非正規社員などが含まれます

正規社員と非正規社員の格差の実態は?

現状の社会では、正規社員と非正規社員の間には、どのような格差があるとされているのでしょうか。

正規社員・非正規社員の数

厚生労働省の労働力調査によると、正社員は3432万人(前年に比べて56万人増加)、非正規社員は2036万人(13万人増加)となっており、正規社員と同様に、非正規社員の数は引き続き増加傾向にあります。

また、男女別では、男性の正規社員は2318万人、非正規社員は647万人に対して、女性の正規社員は1114万人、非正規社員は1389万人となっており、女性の非正規社員数の多さ・高比率が目立っています

正規社員・非正規社員の賃金

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、雇用形態別の賃金は下記の通りになります。

  • 正規社員の賃金:32.2万円(男性は34.9万円、女性は26.2万円)
  • 非正規社員の賃金:21.2万円(男性は23.5万円、女性は18.9万円)

このように、非正規社員の賃金は正規社員の5割~7割程度にとどまっていることから、雇用形態間の賃金格差がわかりますね。

不合理的な待遇格差が解消されると、どうなる?!

不合理な待遇格差を解消することは必然

では、『同一労働同一賃金』が成された場合、不合理な待遇格差はどう解消されるのでしょうか。

【参照元|Fledge

上の図では、合理的な待遇格差と不合理な待遇格差がわかりやすくまとめられています。

『同一労働同一賃金』の原則に当てはめれば、同一の貢献をした人には、雇用形態に関係なく同一の支給をする必要があり、貢献度に一定の違いがある場合はその違いに応じて差をつけなければなりません

左の図は、責任がAさんに集中していることから、Aさんにだけ賞与が付与されることは合理的な待遇格差です。

一方右の図では、貢献度が同一であるにも関わらず、Aさんにのみ賞与が付与される不合理な待遇格差が起こっていますね。

今後、右の事例のような待遇格差が見られた場合には、3名すべてが同一の貢献であるため、企業側は、Aさんだけではなく、BさんとCさんにも賞与が支給しなければいけないということです。

こうして見ると当たり前のことのように思われますが、今まではこの待遇差については見直されることがなかったのですね。

より一層、自分自身の経験・スキルが問われる

『同一労働同一賃金』の施行によって、不合理的な待遇格差が解消された場合、雇用形態に関係なく、同じ仕事をする人材がいればいるほど、経験や能力の差が自分の給与に直結してきます。

企業側からすると、従業員に対し、合理的な待遇差であることを説明する義務が生まれるため、給与・待遇に対しての評価はより一層シビアになることが予想されます。

また、これまで通りの労働力を維持しようとすると、人件費アップも避けては通れない壁です。

つまり、『同一労働同一賃金』が施行される今こそ、働き手側の私たちは、今後自分自身の選択肢を増やすためにも、経験・能力を棚卸しすることが大切です。

今後どんな経験を積むべきか、どういうスキルを身につけるべきか。

今一度見直してみることをおすすめします。

『同一労働同一賃金』施行の前にライフキャリアを見直そう

不合理的な待遇格差の解消とは、つまり、雇用形態や勤続年数に関係なく、スキル、経験、成果によって賃金が決まることになります。

したがって、同じ仕事で長くキャリアを積むことが安定した収入につながることはなくなり、自分自身で仕事の幅を広げたり、秀でた能力を身につけたりしながら収入を得ていく時代になるということです。

では、自分自身で今後のライフキャリアを見直す際に、どんな選択肢が考えられるのでしょうか。

01|今の仕事で収入をアップする

「同じような仕事内容を担当する人は多いけど、この仕事が好きだから続けたい」と考えている方は、圧倒的なプロフェッショナルとして磨きをかけることです。

他者との経験・能力の違いが明確になれば、これまで通り収入アップにつながります。

02|キャリアアップ・キャリアチェンジをする

「今の仕事だと幅が広がらないから、今とは違うスキルを身につけたい」と考えている方は、別の職種にキャリアチェンジすることで、こなせる仕事の幅を広げることができます。今の仕事を昇華させる可能性のある別業界への同職転職であっても同様でしょう。

任される仕事が増え、希少人材を目指しましょう。

03|『学び直し』の機会をつくってスキルアップ

「10年後・20年後も今の仕事を続けているイメージが持てない」と不安を感じる人は、『学び直し』も視野に入れましょう。

職業能力アップにつながる資格取得、就労免許の取得、大学・大学院のプログラム受講など、能力やスキルのタグを増やしていくことができます。

キャリアアップはもちろんのこと、異業種への転換を目的としたキャリアチェンジの実現性を高めることができます。

『学び直し』がきになる方は、こっちらもチェック♪
︎https://www.morecareee.jp/media/manabinaoshiseido-k-0710

04|社会人インターンを活用してスキルアップ

「転職までは考えていないけれど、興味のある会社・プロジェクトはある」という方は、社会人インターンを活用することもおすすめです。

他社で得た能力を自社に活用したり、今まで気づかなかった自分の能力に気づくことができ、自身のキャリアの幅を広げることができます。

『社会人インターン』がきになる方は、こちらもチェック♪
︎https://www.morecareee.jp/media/otonanointernship-m-0711

最後に

いかがでしたでしょうか。

働き方改革法案のなかでも、特に注目を浴びていた同一労働同一賃金の概要と、施行にともなうキャリアへの影響について考えてみました。

同じ仕事でキャリアを積むことが安定した収入につながる時代は変化のときをむかえ、雇用形態や勤続年数に関係なく、今後いっそう、自分自身でスキルや経験を積んでいくことで収入を得る時代がきます。

「あのとき考えておけばよかった」「チャレンジしておけばよかった」という後悔がないように、施行される前の今こそ、キャリアについて考え、行動にうつしてみることをおすすめします。