女性の活躍がひかる現代。
ロールモデルと言われるような女性の活躍事例が、目にとまることも多くなりました。
そんななか、自分のキャリアに迷う女性が多いもの事実。
女性がキャリアプランを考えるときに悩んでしまいがちなこと、そして大切にしたいたったひとつの考え方をご紹介します。
女性の活躍推進と裏腹な働く女性の心理とは
ひと昔前と比べ、結婚や出産を機に仕事を辞める女性は少なくなりました。
日本社会において長らくスタンダードであった「男は仕事、女は家庭」という概念が薄れ、社会における男性と女性の役割の差がなくなったことが大きな変化であると考えられます。
今では、女性の活躍推進は日本の持続的な成長のために必要不可欠であり、多様な価値観を受け入れる組織が企業成長力に直結するともいわれています。
政府が掲げる目標にも「2020年に女性役員比率10%、女性管理職比率30%」がありますね。
実際こちらの進捗はあまりよくなく、2018年7月段階で女性役員比率4.1%、女性管理職比率8.6%ですが、それでも年を追うごとに女性活躍の推進力は増していると思われます。
しかし、その流れとは裏腹に、自分自身のキャリアに悩む女性は多いように感じます。
結婚や出産などのライフイベントがありながらも、キャリアを描き、自分らしく仕事を続けていくには、そのバックアップ体制や自分自身の進む方向性に疑問を持つ女性も少なくありません。
では、働く女性はどんなことに悩んでしまうのでしょうか。
女性がキャリアプランを考える時に悩みがちなこと
女性がキャリアプランを描くとき、どうしても脳裏をよぎるのが「結婚」「出産」「育児」の予定です。
こうしたライフイベントは、喜ばしい反面、今までの生活を大きく変える出来事であり、不安になってしまうこともあるでしょう。
「なんとかなる!」と割り切れる女性もいれば、「この先、仕事どうしよう…」と不安がぬぐい切れずに仕事を続ける女性もいるかもしれません。
ライフとキャリア、相反するように見えながら切っても切れない関係である両者において、女性が抱えがちな悩みを挙げてみます。
[参照元:『 エンウィメンズワーク 』ユーザーアンケート集計結果]
1|給与・待遇
給与・待遇に関しては、結婚前・結婚後問わずに一番多い悩みでした。男性との差を目の当たりにすることもあれば、仕事の内容は変わらずとも、雇用形態の違いによる給与の差が、その悩みの原因になることも。
自分の労働対価としての給与が少ないと感じれば、仕事への意欲が低下し、その先続けていくのかどうか悩んでしまいますよね。
また、結婚・出産などのライフイベントを具体的に意識すればするほど、おのずと不安にかられるお金の問題。同様に悩む女性も多そうです。
「一般職で採用されたが、実際入社してみると総合職とやる仕事は変わらず、それでも給与や賞与は総合職とかなり差がある。一般職は、昇給もある額までいくと頭打ちになることを就業規則を読んで知り、将来の生活に不安を覚えるようになった」(24歳女性)
「営業職で成績によってボーナスの額が変わるのですが、基準が厳しすぎるため10万円以上もらえる人はごく僅かでした。4つ上の先輩で成績も平均以上の人でも私とお給料が変わらなかったため、やる気が出ませんでした」(25歳女性)
2|今後のキャリア
ライフ・ワークを考えはじめると、今後のキャリアについても悩みの種となりがちです。
転勤が多い職場にいたり、残業になりがちな仕事に携わっていたりすると、生活が変わり時間的に制限ができたときに融通が利かない現状を不安に思ってしまうようです。
ひと昔前と比べ、男性も女性も、人生における労働期間が長期化することが見込まれる今、「仕事の融通度」は必須なのかもしれません。
また、見通しは立たずとも、仕事における指標となる存在がいると心強いものですが、なかなかロールモデル的な存在に出会えている女性も少ないようです。
「30歳をこえて、今後の人生を考えたときに、結婚・出産もしたいが、転勤が多く、このままでは難しいのではと感じた。20代は転勤が多くても、その土地その土地を楽しめていたが、今後も全国転勤があると思うと考えてしまう。しかし資格がある訳でもなく、退職してもより良い会社へ入れなかったらと考えると、なかなか転職の決意もつかない」(32歳女性)
「将来が見えなくなった。ロールモデルとなる人物を見つけることができず、自分はどうしたいのかも分からなくなった」(36歳女性)
3|仕事内容
「今後のキャリア」と同様に、悩みの比率が高かったのが「仕事内容」についてです。
特にスキルアップにつながっているか、先の将来に活かせる経験を積めているかという、今のこの時間がしっかり将来につながるかをを不安視する女性が多いようです。
「仕事の幅が限られており、スキルアップが見込めない。女性が長く働き続けられる環境ではなかったため、スキルアップと職場環境改善について考えました」(33歳女性)
「長年貿易事務を続けていましたが、キャリア軸が横に広がるばかりで縦にのびていっている感じがしないと感じるようになった。広く浅い知識ばかりが蓄積していって、職場が変わるとそれまでの知識があまり役にたたないことが多く、将来不安を感じるようになってきたからです」(39歳女性)
[グラフ参照元:『 エンウィメンズワーク 』ユーザーアンケート集計結果]
悩みは成長のためにある。「変わろう」とする自分を受け入れる
正直、仕事への悩み・不安にはきりがありません。
すべてが解決され、迷いなく仕事ができていると応える方は、女性に限らず少ないのではないでしょうか。
人は誰しも、「不安なく快活に、日々楽しく過ごしたい」と思うものです。
どうしようもない不安感は、どこか心を奪ってしまい、目の前の出来事に全力投球できない原因にもつながります。
しかし、「自分、悩んでいるな」と感じるとき、それは無意識のうちに心の中で「変わろう」としている証拠でもあるのです。
悩みの背景には、「〇〇したい」「〇〇でありたい」という願望があるものです。
こうした自分自身の内なる「願望」と「現状」とのギャップが、悩みを生み出しているともいえるでしょう。
悩んだ分だけ、その先には自分が満足できる未来があると思います。
大切なのは「自分の幸せ」が何なのかを考えること
前述のように「悩みは自己成長につながる」とわかっていても、いつまでもモヤモヤしてしまうのは、精神的にはつらいものです。
キャリアや仕事で悩んだときに、大切なことは「自分の幸せって何だろう」と考えること。
このポイントは、キャリアや仕事だけではなく、人生におけるすべての選択の指標にもなると思います。
ライフとキャリアに関しても、どうバランスをとるのが自分にとっての幸せに近づくのかを考えてみると、その答えが見つかるかもしれません。
- 周りに期待され、責任ある仕事に携われることが幸せ
- 多くをこなすより、目の前の事象に集中して満足いく結果を出すことが幸せ
- 自分の好きなことに時間を使えることが幸せ
などなど、「自分の幸せポイント」がきっとどこかにあるはずです。
「自分の幸せ」は、当然ながら人それぞれです。
「何に自分が幸せを感じるか」は、価値観とも似ていて「自分らしさ」を形づくるものです。
「自分の幸せ」が明確な人ほど、日々「幸せ」を感じることができ、イキイキと過ごすことができるでしょう。
最後に|「自分の幸せポイント」の探し方
「自分の幸せポイント」がわからない…という人もいるかもしれません。
確かに、「どういう時に幸せを感じる?」と聞かれても、考え込んでしまいますよね。
この「幸せポイント」を探す近道は、経験の棚卸しです。
これまでの人生には、たくさんの経験があると思います。その中でも印象に残っている「楽しかった経験」や「充実していた経験」をいくつかピックアップしてみましょう。
経験を思い返して、「その時どうして楽しいと思ったのか」「どのような要素が組み合わさると充実していると感じるのか」を考えてみてください。
そこには何かしらの共通項があるはずです。この共通項が「幸せポイント」。
まずは、自分自身ととことん向き合ってみましょう。その一歩が人生のキャリアプランを描く第一歩かもしれません。