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ワーキングママ必見!『働き方改革法』でフレックスタイム制・有休取得義務化が施行!

2018年6月に参議院で働き方改革法案が可決され、衆参両院を通過したことで法律として成立されました。

『働き方改革法』とは、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律のことです。

平成27年に国会に提出されながらも、継続審議となり、今回晴れて制定された法律について、実際の働く現場ではどんなことが変わっていくのか、みてきたいと思います。

そもそも『働き方改革法』とは

最近よく聞く『働き方改革』。そして議論の的になっている『働き方改革法案』。ワイドショーなどでも取り上げられ、その是非が問われていました。

そもそも、政府が『働き方改革』を叫び、促進する理由には、労働力人口が想定以上に減少しているという背景があります。

内閣府統計によれば、少子化が進む現代の延長線上には、2050年には総人口9000万人前後、2105年には4500万人まで減少する未来が予想されます。

労働力人口でみても、2013年は8000万人ですが、2027年には7000万人、2051年には5000万人と減少の一途。

このままでは生産力・国力の低下が避けられないとして、『働き方改革』が走り始めました。

『働き方改革』の目的は、3つ。

  • 働き手を増やすこと
  • 出生率を上昇させること
  • 労働生産性を向上させること

この目的を実現させるために、早々に改善しなければいけない労働課題が下記の3点です。

  • 長時間労働
  • 非正規と正社員の格差
  • 労働人口不足(高齢者や女性の就労促進)

そして先日成立した『働き方改革法』は、そのうち【長時間労働】【非正規と正社員の格差】の2つ課題に対する具体的な改善施策として、取り入れられることが決まった制度や仕組みなどのことです。

【長時間労働】の課題解決のために
  • 残業時間の上限規制
    時間外労働の上限を年720時間、月100時間(休日労働を含む)、2~6ヵ月の平均80時間に設定
  • 勤務時間インタ-バル制度
    終了と始業の間に一定の休息時間を確保する勤務菅インターバル制度の普及
  • 割り増し賃金率の猶予措置廃止
    残量時間が月60時間を超えた場合にかかる50%の割増賃金率について、現在中小企業に適用している猶予措置を廃止
  • 産業医の機能強化
    従業員の健康管理に必要な情報の提供を企業に義務づけ
  • 高度プロフェッショナル制度の創設
    高収入(1075万円以上を想定)で専門知識を持った労働者について本人の同意などを条件に労働時間規制から外す。勤務時間に縛られずに働ける代わりに残業代や深夜・休日手当が支払われない
  • フレックスタイム制の見直し
    フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長
    詳しく解説!
  • 有休取得の義務化
    有給休暇が年10日以上ある労働者について、うち5日の取得を企業に義務づけ
    詳しく解説!
【非正規と正社員の格差】の課題解決のために
  • 同一労働同一賃金
    正社員と非正規労働者の待遇に不合理な差をつけることを禁止

今回は『働き方改革法』のなかでも、『フレックスタイム制度』『有給取得の義務化』に関して、詳しく取り上げてみたいと思います。

3か月フレックスタイム制度について

現行のフレックスタイム制度についてご紹介します。

現行のフレックスタイム制度

厚生労働省が定めているフレックスタイム制度は、清算期間(現在最長1か月)で定められた所定労働時間の枠内で、社員が始業・終業時刻を自由に選べる制度のことであり、結果として労働時間が長い日もあれば、短い日もあります。

【参照元|東京労働局

たとえば、「朝は7時から10時までに出社、午後は15時から19時までの間に退社、午前10時から15時までをコアタイムとする」などがフレックスタイム制度になります。

1日の就業時間を、全員が必ず勤務しなければならない時間帯(コアタイム)と、その範囲内ならいつ出退勤してもいい時間帯(フレキシブルタイム)とに分けて実施。

言い換えれば、通常1日8時間1週40時間が原則ですが、この例外となるのがフレックスタイム制度であり、1週間あたりの労働時間が40時間以内になっていれば、ある特定の日などに1日8時間以上を超えて労働することを認めているということです。

また、フレックスタイム制度を導入することによって、家族が病気になっても、こどもの送迎があっても、親の介護があっても、自身の家庭の都合に合わせて勤務時間を調整することができるメリットがあります。

フレックスタイム制度は、社員の仕事と生活の両立を図り、業務効率や生産性向上を目指す目的があります。
一見すると、社員が自由な時間に勤務ができ、ライフスタイルに配慮された制度です。

仕事と育児の両立においてニーズが高いフレックスタイム制度

フレックスタイム制度について現場の社員はどう感じているのでしょうか。

厚生労働省が実施したアンケート調査によると、男性・女性ともに仕事と家事の両立における職場の育児支援としてフレックスタイム制度のニーズが高まっているようです。

【参照元|厚生労働省

男性では、育児休業以外の職場の子育て支援について、利用した制度として「半日や時間単位の有給休暇」、「フレックスタイム制度」が多く、利用したかった制度として「フレックスタイム制度」、「正社員のままでの短時間勤務」が多い結果となっています。

【参照元|厚生労働省

女性では、育児休業以外の職場の子育て支援について、利用した制度として「正社員のままでの短時間勤務」、「半日や時間単位の有給休暇」が多く、利用したかった制度として「正社員のままでの短時間勤務」に次いで、「子どもの看護のための休暇」、「フレックスタイム制度」、「子供の学期に合わせた勤務制度」などが30%を超え、ニーズの高さがうかがえる結果となっています。

子育て中の社員は、フレックスタイム制度に対して、仕事と育児の両立を図れることを期待していることがうかがえます。

【参照元|厚生労働省

続いて、フレックスタイム制度を導入した企業において、制度における評価を実施しています。

この評価結果によると、制度の運用上、不便を感じたことがあるとの回答が47.9%、感じたことがないとの回答が46.7%となっています。具体的に不便と感じた点としては、「清算期間が短い」が94.2%と非常に高い結果となっています。

【参照元|厚生労働省

さらに、フレックスタイムを利用した社員に対して、制度における評価を実施しています。

現行制度のままでよいとの回答が81.9%、「見直すべき」との回答が15.1%となっています。「見直すべき」との社員のうち、「コアタイムをなくすべき」が30.2%、「出退勤管理を緩やかにすべき」が21.2%がある一方、「清算期間を長くすべき」が20.4%となっています。

企業の評価においても、実際に利用した社員においても、フレックスタイム制度における清算期間1か月に対して課題があったことがわかりますね。

「清算期間」が最長1か月なので、労働者は1か月の中での生活上のニーズに対応することはできるが、1か月を超えた労働時間の調整はできなかった。

具体的には、子育て中の親にとって清算期間が1か月だと、こどもが夏休み期間中でも40時間の労働を1か月の間で調整しなければならないため、こどもと一緒に過ごす時間と仕事の時間とを調整するのが大変だったのです。

改正後の3か月フレックスタイム制度

1か月のフレックスタイム制度の課題を踏まえ、改正後は「3か月のフレックスタイム制度」へと変更されます。

具体的には、「清算期間」を最長3か月に延長し、より柔軟な働き方を可能にしています。

たとえば、「6・7・8月の3か月」の中で労働時間の調整ができるため、子育て中の親が6月に労働時間を長くし、8月の労働時間を短くすることで、夏休み中の子どもと過ごす時間を確保しやすくなります。

【参照元|厚生労働省

つまり、今までは1か月で調整しなければいけなかった労働時間を2か月・3か月の期間内で調整をすることによって、仕事と育児の両立をさらに図ることができるようになります。

この変更は、2019年4月からの施行となります。

5日間の「有給休暇取得」の義務化

有給休暇を年5日間取得することも義務化されました。

これまでも、社員から有給休暇の取得希望があった場合、雇用者が認めないことは違法ですが、逆に社員から有給休暇の取得希望がなければ、会社からアクションを起こす必要性はありませんでした。

有給休暇取得5日以内の社員は45.7%

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、有給休暇の取得が年5日以下の正社員は45.7%という結果が出ています。

厚生労働省の調査によると、平成27年に労働者に付与された年次有給休暇の平均は18.4日、そのうち労働者が取得した日数は 9.0日(同 8.8 日)で、取得率は 49.4%(同 48.7%)いう結果が出ています。

【参照元|厚生労働省

取得率を企業規模別にみると、1,000 人以上が 55.3%(同 54.7%)、300~999 人が 48.0%(同 47.1%)、100~299 人が 46.5%(同 44.8%)、30~99 人が 43.8%(同 43.7%)となっています。

つまり、平均の有給休暇取得率は一部の取得数が高い社員によって上がっており、実際に取得できていない社員が多くいることが課題であることがわかります。

働く社会人の約半数が有給休暇取得が5日以内

有給休暇の5日間義務化とは

有給休暇取得が5日以内の社員が半数いる日本社会の課題を踏まえ、改正後は「有給休暇5日間義務化」へと変更されます。

10日以上の有給休暇が発生している社員に対しては、会社は必ず5日の有給休暇を取得させなければならない義務を負うこととなりました。

【参照元|厚生労働省

すでに年間5日以上の有給取得が実現できている方は今まで通りですが、5日以内しか有給休暇が取得できなかった方は、これからは義務化されるので一定日数の確実は取得が可能になります。

年間5日は最低でも有給休暇が確実に取得できる
※ただし、年休10日が付与されている社員に限る

こちらの変更も、2019年4月からの施行となります。

とはいえ、有給休暇は労働者の権利でもありますので、業務進捗をコントロールし、積極的に活用できるようにしましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。

先日の働き方改革法案が可決されたことによって成立した法律のうち、今回は「3か月のフレックスタイム制度」と「有給休暇の5日間取得義務化」に関してご紹介しました。

多様で柔軟な働き方と、年次有給休暇取得の促進を目的としていますが、ワーキングママにとっては仕事と家事・育児の両立のしやすさに一歩近づいたのではないでしょうか。