ビジネスシーンで欠かすことのできない「敬語」。
さまざまな言い回しがあり、時には間違えてしまうという人も意外と少なくないかもしれません。
大切な場面で敬語の使い方を間違えてしまうと、失礼な印象を与えるだけでなく、今後のビジネスの取り引きにかかわることも。
相手を尊重する気持ちを伝える手段として、正しい敬語をスマートに使うことができると素敵ですよね。
そこで今回は、正しい敬語を話す3つのコツ、ビジネスシーンで間違いやすい敬語20選をまとめてみました。
敬語、きちんと使えてる?正しい敬語を話す3つのコツ
話す相手や場所などによって使い方が変わってくる敬語。
「もしかしたら間違っているかも…」とひやひやしながら敬語を使った経験のあるという人もいるかもしれませんね。
人によっては、敬語を意識しすぎるあまり「二重敬語」と言って逆に失礼な言葉の使い方になっている場合もあります。
まずは、正しい敬語を話す3つのコツをご紹介します。
1|話す相手、場所を意識する
敬語を正しく使うには、話す相手や場所をきちんと意識することが大切です。
初対面の目上の取引先、すでに何度かやり取りのある親しい取引先、社内の上司など、相手のレベルによって敬語の使い方は変わってきます。
また、社外や社内でのプレゼン、会議、商談などの場所によっても同様です。
状況によってきちんと敬語を使いわけることを意識しましょう。
2|「お」と「ご」をマスターする
尊敬語や謙譲語、美化語の「お」と、「ご」の仕組みをマスターするようにしましょう。
「わたしが差し上げたお手紙」と「課長が書かれたお手紙」では「お」の使い方は変わってきますよね。
また、「お料理」の「お」は美化語となり綺麗な言葉づかいを印象づけることができます。
複雑に思う人もいるかもしれませんが、「お」と「ご」の使い方をマスターすることで相手に素敵な印象を与えることができますよ。
3|敬語を意識しすぎない
敬語を意識しすぎることで、二重敬語となってしまう場合があります。
「お」や「ご」を意識しすぎるあまり、本来「お伺いします」で良いところを「お伺いいたします」などと二重敬語となっている人も少なくないのです。
二重敬語を使っていると、「きちんと敬語の使えない人」という印象を与えるだけでなく、なんだか幼稚な印象を与えてしまうことも。
二重敬語気味かも…という人は、今以上に意識してみましょう。
知らないと恥ずかしい!間違いやすいNG敬語20選
ここまで、正しい敬語を話す3つのコツについてご紹介してきました。
敬語にはさまざまな言い回しや使い方があり、日ごろ何気なくつかっている敬語も、もしかすると正しい敬語ではない可能性もあります。
そこで、間違いやすい敬語20選をまとめてみました。
ぜひ、自身の日ごろの敬語と照らしあわせてみてくださいね。
1|すみません
「すみません」、とても便利な言葉ですよね。
何かあるとつい出てしまうという人も多いかもしれませんが、すべてにおいて「すみません」では不適切です。
「申し訳ございません」「恐れ入ります」など使い分けるようにしてみましょう。
2|よろしかったでしょうか
「よろしかったでしょうか」ではなく「よろしいでしょうか」が正しい表現です。
確認事項を不要に過去形にする必要はなく、シンプルに「よろしいでしょうか」と表現するようにしましょう。
自分の考えを相手に押しつけている印象を与えることもあるので、注意が必要です。
3|〇〇さん、この件どうしましょうか
ビジネスシーンにおいて「どうしましょうか」という表現は不適切です。
なにかの件についてどうするのか相手に聞きたい場合は「いかがいたしましょうか」という問いかけにしましょう。
「どうしましょうか」は尊敬語でも謙譲語でもないのです。
4|弊社の担当にお伝えしておきます
電話で何かを言づかった場合に言ってしまいがちな「お伝えしておきます」という表現。
正しくは「申し伝えます」となります。
とっさに「申し伝えます」が出てこないという人もいるかもしれませんが、きちんと使うことで電話越しでも相手にスマートな印象を与えることができますよ。
5|こちらお分かりになりますか
相手の理解度を知りたい時の問いかけ方について、悩むことが多いという人も少なくないかもしれません。
この場合、正しくは「ご理解いただけましたか」となります。
「お」や「ご」の使い方についてきちんと理解しておくことがポイントです。
6|とんでもございません
「とんでもございません」という言葉も、なにかと使ってしまっているという人は多いのではないでしょうか。
実はこれも間違った表現で、正しくは「とんでもないです」となります。
「とんでもない」という言葉が1つの言葉として完結しているので、そこに「ございません」と組み合わせることはないのです。
7|どうぞお座りください
商談や面接などの場面で使いがちな「どうぞお座りください」という表現も間違った表現。
正しくは、「どうぞお掛けください」となります。
「座る」を「お掛けになる」という表現に直す必要があるためです。
きちんとした敬語のほうがなんだかしっくりきますよね。
8|おっしゃられていました
「おっしゃられる」は、「おっしゃる」と「られる」の二重敬語です。
そのため、「おっしゃいました」が正しい表現となります。
二重敬語の中でも間違いやすい「おっしゃられる」という表現。日ごろから意識して正していくことが必要です。
9|了解しました
社内のやり取りなどでよく使いがちな「了解しました」という表現。
正しくは「承知しました」となります。
親しみのある上司などに気軽に使ってしまいがちですが、正しく「承知しました」と表現するよう心がけましょう。
10|その件については存じ上げております
一見、きちんとした敬語のように思えるこちらも実は正しくありません。
話の対象が人の場合は「存じ上げている」と持ち上げても大丈夫ですが、対象が物や事なら「存じております」が正解となります。
敬語に厳しい人の場合は特に不審に思う表現のため、きちんと使い方を理解しておくようにしましょう。
11|拝見いたします
「拝見」と「いたします」が組み合わさっているこちらも二重敬語です。
正しくは「拝見します」という表現になります。
二重敬語は、意識しないうちに使ってしまっている人も多いため、言葉に出す前に一度自分の中で確かめてみることが大切です。
12|お待たせしております
商談時や、電話などでよく使うことのある「お待たせしております」という表現。
この場合、「お待たせしております」は引きつづき相手を待たせることを意味します。
そのため、お待たせした後では「お待たせいたしました」と表現するのが正しいのです。
一見違和感はないかもしれませんが、このあたりもきちんと使いたいものです。
13|確認をお願いします
相手に確認を依頼する時、どのような表現を使っていますか?
正しい敬語の表現は「確認をお願いします」ではなく「ご査収ください」となります。
特に社外とのやり取りの場合は、「ご査収」という表現を使うほうがスマートな印象を与えることができますよね。
14|お体をご自愛くださいませ
取引先などへのメールで使うことも多い「お体をご自愛くださいませ」という表現ですが、こちらも正しくは「ご自愛ください」となります。
「ご自愛ください」という言葉自体に、「体を大切にしてください」という意味が含まれているため「お体を」は不要な表現なのです。
必要ない言葉は省き、シンプルな敬語を使うように意識しましょう。
15|つまらないものですが
目上の方になにか手土産などをお渡しする場合、「つまらないものですが」という言葉を添えてお渡しする印象がありますよね。
しかし、これも実は間違った表現。
正しくは、「ほんの気持ちですが」「お好きだと聞きましたので」など前向きな表現となります。
正しい表現を使うことで、相手にもさらに良い印象を与えることができますよ。
16|なるほどですね
話を聞く際のあいづちとして使っている人も多い「なるほどですね」という表現。
くだけた敬語として間違っていないようにも思えますが、正しくは「おっしゃる通りだと思います」などの表現です。
「なるほどですね」については相手に良い印象を与えない場合が多いので、使ってしまいがちという人は意識して使わないよう心がけましょう。
17|資料をご持参ください
違和感なく思える「資料をご持参ください」という表現ですが、「参る」と「持参する」という二重の謙譲語になっており、目上の相手に対しては適当ではないと言われています。
シンプルに「お持ちください」という表現で伝わりますので、できれば「資料をお持ちください」と表現するほうが理想的です。
18|お伺いします
自分がむかう場合に「お伺いします」という表現は正しくありません。
ここでの「お」は尊敬語となるため、自分自身に使う場合は「伺います」という表現が正しいのです。
「お」の使い方をきちんとマスターすることで、このあたりの違和感にも気づけるようになってきます。
19|大変参考になりました
目上の人に対して、「参考になりました」という表現は「考えるに当たって足しにする」ということを意味し、かなり失礼にあたります。
間違いやすい敬語ですが、ここでは「勉強になりました」が正しい表現。
あくまでも目上の人を敬うことをこころに置き、勉強する姿勢を忘れないことが大切なのです。
20|お名前をちょうだいできますか
目上の人への名前の聞き方、迷いますよね。
正しい表現は「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」となります。
「ちょうだいする」という表現は「もらう」の謙譲語となり、この場合は「名前はもらうものではない」ため不適切な表現となるのです。
編集部から
いかがでしたでしょうか。
ビジネスシーンにおいて必須スキルである敬語は、きちんと使えるだけでスマートに見えるだけでなく、ビジネスも円滑に進める役割を果たします。
敬語に苦手意識を持っている人も多いかもしれませんが、今回ご紹介した3つのコツとNG敬語20選を心に留め、正しい敬語を身につけるよう意識してみてくださいね!