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育児短時間勤務制度と短時間正社員制度の違いって?

ワークライフバランスのとれた働き方が進められる中、【育児短時間勤務制度】と【短時間正社員制度】と似たような制度があることをご存知でしょうか。

今回はこの制度概要と違いをまとめてご紹介します。

育児短時間勤務制度とは?

簡単にまとめると
  • 子どもが3歳になるまで、1日原則6時間の短時間勤務をすることができる
  • 企業の定めによって、最長利用期間は異なる
  • 1日の所定労働時間を7時間にする、所定勤務日数を短縮することも可能

制度概要

育児短時間勤務制度とは、3歳に満たない子どもを養育する労働者が利用できる時短勤務制度です。

改正育児・介護休業法第23条第1条で定められた制度で、その目的は、働きながら子育てをすることを容易にするためとされています。

現在は、企業規模に関係なく企業に制度化することを義務化しています。

【出典】育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年5月15日法律代76号)

対象は?

育児短時間勤務制度の対象は、上記の通り3歳に満たない子どもを養育する労働者で、男女の性別問わず対象となりますが、下記の条件を全て満たすことが必要になります。

  • 1日の所定労働時間が6時間以下ではないこと
  • 日々雇用される者ではないこと
  • 短時間勤務制度が適用となる期間に育児休業をしていないこと
  • 労使協定により適用除外とされた労働者でないこと

簡単にまとめると、現在自身の勤めている企業に入社して1年以上経過し、1日の労働時間が6時間を超えていて、週3日以上の所定労働日があれば適用となります。

1年以上継続して雇用されている契約社員や、時給で働いているパート社員でもこの条件を満たしていれば適用となります。

利用できる期間は?

改正育児・介護休業法により、3歳の誕生日の前日まで利用可能です。

また、育児・介護休業法では、3歳以降の時期についても育児と仕事の両立を支援する制度の設置を企業の努力義務としています(第24条第3項)

企業ごとに設定できる育児短時間勤務の最長利用期間を調べると、「3歳に達するまで」が最も高く 39.0%、次いで「小学校就学の始期に達するまで」が 32.5%、 「小学校卒業以降も利用可能」が 8.3%となりました。

制度の利用期間は企業によってさまざまですので、自身の会社の最長利用期間を事前に確認しておけば、職場復帰プランを考えやすいですね。

勤務形態は?

会社は原則として1日6時間の短時間で勤務ができる措置をとらなければなりません。

所定労働時間を6時間とした場合、通常は午前9時から午後6時までの8時間労働(休憩1時間)となっていても、時短勤務で午前9時から午後4時まで、または午前10時から午後7時までの6時間労働で働くことを定めるというものです。

また、「1日の所定労働時間を7時間にする」、「所定勤務日数を短縮する」ことも可能なため、自身にあった働き方を相談し、選択することが可能になります。

短時間正社員制度とは?

簡単にまとめると
  • 短時間正社員制度は育児以外にも適用できる制度
  • 育児の理由に限らず、幅広い労働者が対象
  • 制度自体の中で、定められた利用期間はない

制度概要

短時間正社員制度は、これまで育児や介護をはじめ様々な制約によって就業の継続ができなかった人や、就業の機会を得られなかった人たちの就業継続や就業を可能とする働き方を推奨するものです。

勤務時間や勤務日数をフルタイム正社員よりも短くしながら活躍してもらうための仕組みです。

【出典】厚生労働省短時間正社員制度導入支援ナビ

対象は?

短時間正社員とは、フルタイム正社員と比較して、1週間の所定労働時間が短い正規型の社員であって、次のいずれにも該当する社員のことを言います。

  • 期間に定めのない労働契約を締結している
  • 時間当たりの基本給及び賞与、退職金等の算定方法等が同種のフルタイム正社員と同等

つまり、育児・介護などと仕事を両立したい社員、決まった日時だけ働きたい入職者、定年後も働き続けたい高齢者、大学に通いながらキャリアアップしたい労働者など幅広い労働者が対象となります。

育児短時間勤務と異なる点は、対象が育児・介護に限らないということです。

利用できる期間は?(※育児利用の場合)

短時間正社員制度で最も活用されているのが育児だというデータが出ています。

育児短時間勤務制度の「3歳の誕生日の前日まで」というように、この制度自体の中で期間が決まっていません。

導入企業によって「3歳に達するまで」「小学校始学前の一定の年齢まで」「小学校就学の始期に達するまで」などさまざまな期間を設けることが可能です。

期間の設定は設けず、一旦短時間正社員に変更になった場合には、その事由がなくなった場合、ある程度の期間の様子を見て、次の働き方を本人、家族と相談の上決定するケースもあります。

ただし、短時間正社員制度を育児短時間勤務制度として活用している企業の場合は、育児時短勤務制度の適用条件を満たしていることが前提となっているようです。

勤務形態は?

下記の3つに分類されています。

  • タイプⅠ:正社員が一時的に短時間勤務をすることが可能になる。
  • タイプⅡ:正社員が恒久的、又は時間を定めずに短時間勤務をすることが可能になる
  • タイプⅢ:パートタイマーなどが短時間勤務のまま正社員になることが可能になる。

育児短時間勤務制度に該当するのはタイプⅠです。

短縮された時間の賃金は法律では保証されず、支払われない!?

【育児短時間勤務制度】や【短時間正社員制度】を利用すれば、仕事と育児のバランスがとりやすいメリットがありますが、働く時間が短くなる分、給料も少なくなる可能性があります。

実は、改正育児・介護休業法には、「短縮された時間に対する賃金は保障する」といった規定は定めていません。

したがって、法律上は働いていない時間分の賃金を支払う必要がないことから、ほとんどの会社では実際に働いた分にあった給料を支払うため、短縮した時間分の給料は引かれ無給となります。

実際に調べてみると、育児のための「短時間勤務制度」を導入している事業所において、短時間勤務により短縮した時間についての賃金の取扱いについては「無給」が 84.3%で最も多く、「有給」が 8.4%、「一部有給」が 7.4%となっています。

短縮した時間分の給与は引かれているケースが多いことがわかりますね。

【出典】厚生労働省「平成 27 年度雇用均等基本調査」の結果概要

これは、給料だけでなく、手当や賞与にも影響する可能性もあるので事前に勤務先に確認しておくと不安が軽減されるかもしれません。

知らないまま時短勤務になったときに、実際に受け取る給与額に驚かないためにも情報収集しておくことをおすすめします。

さらに、制度の利用は給与だけでなく年金保険料にも影響する可能性があります。

基本給が減るため、健康保険や年金などの社会保険料は「育児休業終了時報酬月額変更届」の手続きを行うと、保険料が減額されますが、それは同時に将来受け取る年金受給額が減ってしまうことになりかねません。

したがって、改正育児・介護休業法では、給与が減る前の金額をもとに保険料を払っているものと見なして、将来の年金受給額が減らない特例措置があります。

「養育期間標準報酬月額特例申出書」によって対応ができますので、是非調べてみましょう。

また、社会保険加入においても以下の3つの条件を満たしている場合継続することが可能になっています。

  1. 労働契約、就業規則、給与規定等に短時間正社員にかかる規定がある。 
  2. 期間の定めのない労働契約が締結されている。 
  3. 給与規定における待遇等が同種フルタイムの正社員と同等であり、かつ、就業実態も短時間正社員にかかる諸規定に即したものである。
復職を考えるとき、勤務先に確認してみよう!

【育児短時間勤務制度】なのか【短時間正社員制度】なのか

育児短時間勤務の最長利用期間できるか?

賃金・賞与などの算出の仕方は?

最後に

いいかがでしたでしょうか。

育児の視点で比較した場合、【育児短時間勤務制度】と【短時間正社員制度】大きな違いはありません。

育児短時間勤務制度と記載があっても、短時間正社員制度と記載があっても、育児と仕事を両立するために利用できる制度だからですね。

企業によって導入している制度は異なるため、ご自身の会社がどの制度を適用しているのか、最長利用期間はいつまでか、賃金・賞与などの算出の仕方はどうなっているのか、事前に確認をすると今後のプランが立てやすいですね!

ご参考いただけますと幸いです。