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女性の転職の最前線は「寿転職」!?寿転職の実態を調査

「寿転職」をご存知でしょうか?

今、働く女性の転職最前線は「寿転職」だといわれています。

かつては、結婚を機に退職をして専業主婦になることがスタンダードだった時代もありましたが、今は「結婚を機に転職すること」が徐々に増えているようです。

今回は、寿転職とはなにか、寿転職と今の会社で働き続けることの比較を考えてみました。

結婚・出産・育児をワンセットで決断する「寿転職」とは

女性の就業率は過去最高

厚生労働省が7月31日に発表した最新の労働力調査によると、15~64歳の女性のうち就業している方の割合が69.9%と約7割に達しました。

これは1968年以降で最高値です。

少子高齢化による労働人口の減少、景気回復などの背景から、企業側の採用意欲は高まり、一方転職市場においても、より良い待遇や働きやすい環境を求めて、自発的に転職する人が増えています。

「寿転職」とは

結婚を機に転職することを「寿転職」といいます。

「寿転職」を選択する主な理由は、下記のような考えです。

  • 今の働き方では、仕事と家庭の両立が難しい
  • 今後出産をしたら、今の長時間労働をしながら育てるのは想像ができない
  • 今の会社だと、育児期間中は昇進も昇格も見込めないから、このタイミングで転職してキャリアアップをしよう

つまり、結婚を決意するタイミングで、出産・育児などのその後の生活環境の変化も見越して、仕事との両立のために働き方を検討するということですね。

「寿退社」がスタンダードであった時代は、結婚したら仕事を辞め、専業主婦として家庭に入ることが当たり前の選択でした。

しかし、現代においては時代は大きく変わり、結婚をしても出産をしても、うまく両立することを前提に「仕事を続ける」選択が当たり前になりつつあります。

現状の日本では、未だ長時間の労働を惜しまない猛烈社員への評価が高い企業文化をもつ職場も多く、将来こどもが欲しいと考える女性は、結婚のタイミングで出産後の働き方を不安視しているのです。

その結果、結婚だけに限れば、働き方やライフスタイルに大きな影響はないかもしれませんが、その後の出産・育児もワンセットで考えて早めに働き方を変える「寿転職」が増えているのです。

「寿転職」を選択すると賃金は8.5%減少する

内閣府が雇用動向調査などのデータから、離職した場合に前職から賃金がどう変化するかを調べています。

【参照元|内閣府 第1節 職業キャリア形成の変化

最新のデータを見てみると、「結婚」を理由に辞めた場合、新しい職場での賃金は8.5%減が平均値となっているようです。

「出産・育児」が理由だと、減収幅は小さくなりますが、それでも2004〜2006年時に比べれば収入減になりやすいようですね。

離職理由が「出産・育児」「介護・看護」よりも「結婚」である場合に減収幅が大きいのは、雇い主である企業側の懸念の表れではないかと思います。

結婚を機に転職をする「寿転職」では、場合によっては、入社してすぐに産休に入ってしまうことも考えられます。

育児休業は、就業規則により入社1年未満では取得できない規定になっている企業も多いですが、そうなると、出産後8週間での復職は難しいこともあります。

せっかく入社をしてもらったのに、退職や休職、成長速度の鈍化のリスクが大きいと感じられる場合、このように転職時に減収となってしまう傾向もあるようですね。

もちろん、これまでの仕事の経験やキャリアによって、「寿転職」であっても、賃金が上がる可能性はあります。

「寿転職」を成功させるには、ライフイベント後にしっかりと会社に貢献していけるビジョンを描くことが大切なポイントになります。

「寿転職」をするか?今の会社を続けるか?

「寿転職」の選択肢がスタンダードになりつつある中、自分の現状に当てはめて考えて見たとき、はたして「寿転職」をすべきなのか、今の会社で道を切り開くべきなのか、気になるところですよね。

最近では、働き方改革法の施行により、企業側でもまさに働き方の見直しが進められている真っ只中。

現時点においてライフイベントと仕事を両立しての生活がイメージできなかったとしても、今の職場の制度や風土が変わっていく可能性もあります。

今回は、「寿転職」と「今の会社で働くこと」のメリットをそれぞれまとめてみます。

「寿転職」のメリット

01|結婚後の新生活をベースに働き方の調整ができる

結婚をすると、二人での新生活がスタートします。独身時代と違ってお互いの生活リズムを合わせたり、仕事のペースを調整する必要性がうまれます。

今まで独身時代にはなかった細かなイレギュラーが、日常生活で起こるかもしれません。

職場によっては、今までのペース・流れで仕事をすることが難しいこともあるでしょう。

こうした時に、結婚と同時に「寿転職」をして、仕事のペース・流れをいちからつくる環境にいれば、結婚後の生活リズムに合わせて仕事を調整することができることもあります。

02|スムーズに新しい挑戦ができ、将来を見越して腰をすえた準備ができる

新しい環境で仕事をはじめるとき、最初は苦労することも、時には帰宅時間が遅くなることもあるかもしれません。

もし「育休後」や「育児が落ち着いたタイミング」で転職をしようとする場合、両立しながらでは、なかなか自分の思い通りに仕事を進めることができないかもしれません。

その点、結婚するタイミングで「寿転職」をすれば、腰をすえて、新しい会社で成果を出し、信頼貯金を貯めることができます。

将来挑戦したい仕事があったり、結婚前後で仕事との関わり方を変えたいと思った時には、「寿転職」は理想的なタイミングになる可能性もあります。

03|今後の転職のハードルが下がる

長く同じ会社で働き、ある一定の年齢になると、求められる能力・スキルも高くなり、転職のハードルが上がっていきます。

これは、転職を希望する本人だけでなく、受け入れる企業側も同様ですので、採用時にお互い慎重になります。

一方、20代・30代で一度でも転職を経験することは、今までとは違う環境で自分の能力を発揮することにつながり、市場価値を改めて確認することができます。新しい環境で手に入れることができる能力・スキルもあるでしょう。

育児などが落ち着き、自分自身のキャリアに本腰を入れられるタイミングで、更なるキャリアアップを目指して転職する際は、若いうちに転職を経験しているため、チャレンジへのハードルが下がります。

今の会社で働き続けるメリット

01|産休・育休が取得しやすい

結婚だけに関して言えば、日常の生活リズムに小さな変化はあれど、働き方に大きな変化は起きづらいかもしれません。

ところが出産・育児となると、生活リズムは一変します。

その時、長く勤めていれば、こうした生活リズムの変化に合わせ、柔軟に仕事を調整できることもあります。

会社や上司の理解があることが前提になってしまいますが、同じ仕事で仕事量を調整するなど、実現可能性が高いのは信頼貯金が積みあがっている今の会社なのかもしれません。

転職してすぐ出産となってしまえば、申し訳なさから、どこか後ろめたい気持ちになってしまうこともあるでしょう。

大きく生活リズムが変わる出産・育児のタイミングでは、仕事の負担ができるだけ少ない、もしくはコントロールできる環境を準備することが大切です。

02|収入が安定しやすい

「寿転職」と収入増減の関係性にもあったように、一時的かもしれませんが、収入がダウンする傾向がありました。

今の会社で働き続ける場合は、フルタイム勤務であれば収入が安定しやすいです。

育児との両立を考えた時に、時短勤務を選択する方も多いと思いますが、その場合のモデル年収は把握しておくといいかもしれませんね。

時短勤務であっても、フレックスタイム制度やリモートワークの体制があれば、出産前同様にフルタイムで勤務できる可能性もあります。

経験はお金には変えることができない貴重なものですが、「転職」をせずとも自身の希望する働き方ややりたいことが実現できるのであれば、あえて収入をダウンさせる選択は必要ないかもしれません。

結婚・出産・育児の決断を一度にするよりも、もっと前から考える

今の日本社会では、「結婚=出産」と考える方が大半です。

そして、前述の通り、結婚・出産後も働き続けることが前提であれば、「結婚・出産」と「仕事」は切っても切り離せずワンセットで考えなければなりません。

30代前後になれば、「こどもが欲しい」と出産を考え、つまり結婚についても考えるようになります。

また、時を同じくして仕事でも成果が安定し、携われるプロジェクトもスケールアップするタイミングにもなり、「結婚・出産」と並行して「仕事・キャリア」も本格的に考える必要も出てきます。

気づけば、人生における大事なイベントと、満足できる働き方を手に入れるために、短期間に一気に決断をすることに。

こうした状況では、慌ただしくもあり、不安もありますよね。

だからこそ、差し迫った状況で一気に決断するよりも、ずっと以前からこうしたタイミングを見越して仕事における信頼貯金を積み重ねたり、スキルを身につけるためにジョブローテーションや転職を経験をしていくことが大切です。

最後に

いかがでしたでしょうか。

「寿転職」という選択でも、「今の会社で働き続ける」という選択であったとしても、できる限り先々を見越して、何事にも挑戦し経験値をためるような「攻めの姿勢」を持って「問題解決」していくことがポイントになりそうです。

キャリアを変更するのであれば、「結婚を決めた」タイミングではなく、「結婚を意識した」タイミングで行動を起こしておくだけでも、余裕を持って物事を進められるでしょう。

また、働き続けたいと思う女性こそ、仕事がバリバリできるパートナーに魅力を感じるかもしれませんが、共働き世帯がスタンダードになる今は、それぞれのやりたいことや無理のない生活リズムを実現させることを第一に、家事・育児なども協力してくれるパートナーの存在が重要かもしれません。

どちらも完璧なパートナーであるに越したことはありませんが、女性のみなさんだけが「ライフイベント」と「働き方」を考えるのではなく、夫婦で問題解決しながら実現させていこうとする考え方が大切です。