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なでしこ銘柄/100選授賞式に密着!~なでしこ銘柄について調べてみた~

経済産業省・東京証券取引所が主催する「新・ダイバーシティ選定企業100選 なでしこ銘柄発表会」が3月22日に行われました。

今回は、なでしこ銘柄についてご紹介させていただきます。

なでしこ銘柄とは

経済産業省と東京証券取引所が共同で「女性活躍推進」に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定しています。

該当する企業を投資家にむけて魅力ある銘柄として紹介することで、企業に対する投資家の関心を一層高め、各社の取り組みを加速化することを狙いとしています。

東京証券取引所の全上場企業約3500社から、企業価値向上を実現するダイバーシティ経営に必要とされる取り組みと、その開示状況について評価をおこない、今回は48社が「なでしこ銘柄」として選定されました。

経営戦略としてのダイバーシティ

企業が、グローバル競争の激化や少子高齢化など、日本を取り巻く外部環境の変化に対応するためには、「経営戦略」として人材戦略を変革することが不可欠であり、その柱として女性活躍をはじめとした「ダイバーシティ経営」が求められています。

その効果の一つに、人材獲得力の強化があります。

最近は、ミレニアム世代である20代半ば~30代半ばの女性たち、まさにモアキャリーの読者の皆さんが就職先を選ぶ際に、企業の「多様化や受容性の方針」を重視する傾向がうかがえ、企業選定びの軸も変化しているのです。

こうした変化に積極的に対応し、組織を支える人材獲得を進めていくことを経営方針として掲げる企業も増えてきました。

女性活躍推進の効果とは

なでしこ銘柄の業績パフォーマンスを確認するため、平成29年度選定企業48社を対象に、平成29年度3月末時点の売上高営業利益率、総資産利益率、投下資本利益率を算出しています。

売上高営業利益率は、なでしこ銘柄が9.7%、東証一部上場が8.4%と差が出ています。なでしこ銘柄に選定される企業は、ダイバーシティ経営推進の効果もあり、市場平均値よりも高い傾向にあることが分かります。

なでしこ銘柄調査から見る上場企業の取り組みと選定企業の特性

「なでしこ銘柄」選定過程で実施している女性活躍度調査の結果から、上場企業における女性活躍推進状況や選定企業の特性が出ているため、一部をご紹介します。

調査に回答した全企業と「なでしこ銘柄」選定企業との比較では、「新規採用女性比率」について、一貫して、選定企業の水準が全回答企業の水準を上回っていました。

選定企業、全回答企業ともに、新規採用女性比率が上昇しており、全体の傾向として、女性を採用する意識が年々高まっているようです。

「年次有給休暇取得率」についても、選定企業が全回答企業の水準を大きく上回り、「なでしこ銘柄」企業は、働き方改革も進んでいることがうかがえました。

「男性育児休業取得率」は、全回答企業が13.9%、選定企業が36.0%という結果で、一般的に把握されている男性の育児休業取得率(2~3%水準)と比較して、いずれも非常に高い取得率です。

特に、選定企業においては、積極的な推進策が実施されていることや制度を取りやすい風土であることがうかがえます。

さらに、なでしこ銘柄企業においては、「労働時間短縮制度」「時間外労働免除・制限」について、法律規定以上の制度が整っていたり、従業員のキャリア形成の取り組みとして、ボランティアのための休職制度、副業・兼業を認める制度、国内や海外の大学(院)進学支援など、社外活動支援のための制度構築などがあったり、女性管理職比率・男性育児休業取得率が高かったりと、他の企業より統計的有意な項目もありました。

なでしこ銘柄注目企業5選

つぎに、なでしこ銘柄選定に関する女性活躍度調査から特徴的な取り組みをしている注目企業をご紹介します。

面白い取り組みをしている企業もありますので、ぜひご覧いただきダイバーシティ経営に触れてみて下さい。

【 柔軟な働き方 】

男女ともにライフステージの変化により職場で働ける時間などは変化します。個々が自身の働き方をコントロールできれば、女性活躍はより進んでいくと考えられます。柔軟な働き方を通じて生産性を向上させています。

キリンホールディングス株式会社

  • 「なりキリンママ・パパ研修」
    「ママ・パパを仮想体験することで労働生産性向上と社内カルチャー変革を目指す」ことをコンセプトに、こどもがいない営業社員が、仮想のこどもの名前を命名し、上司・同僚に共有した上で、ママ・パパになりきった時間制約がある働き方を徹底する。

日本航空株式会社

  • 社員の就業継続をサポートする制度として配偶者の転勤に同行する「配偶者転勤同行休職制度」や高度な不妊治療を受けるための「不妊治療休職制度」を整備。
  • また、配偶者の転勤、介護を理由として転居する社員に対し、グループ内の就労機会を提供する「キャリア継続サポート」も導入。
【 仕事量の適正化 】

女性をはじめとする多様な人材が活躍するためには、仕事量のコントロールが必要不可欠です。

ICTを活用し課題・目標・成果の可視化や、トップコミットメントに基づく全社的な取り組みを行うことで適切な人員・仕事量の配分を行っています。

SCSK株式会社

  • 削減した残業代を全額社員に還元
    社員が進んで業務効率化に取り組み残業削減が進められるように、削減した残業代は、特別ボーナスや固定残業代として全額社員に還元。金額はおよそ10億円分に相当!
    他方、営業利益は208億円から337億円と増益し、長時間労働を削減しても利益は上がることが判明。
早期復職支援

育児休業から復職する女性の中には、「スムーズに復帰できるだろうか?」「育児と仕事を両立していくことができるだろうか?」という不安を抱えている方も少なくありません。
費用的な支援や不安を取り除く支援を行っています。

三井物産株式会社

  • 早期復職を費用面と精神面から支援。さらに仕事と家庭の両立支援策を拡大。
    保育費用補助、早期フルタイム復帰支援策として時差・時短併用制度やベビーシッター代補助・延長保育料補助を導入。
  • スムーズな復職と中長期的なキャリア形成という両面から本人・上司・人事との三者による復職前面談の実施。
  • 障がいを持つ家族を支援するための特定支援休暇の新設や、小4の壁対策としての時短取得可能期間の延長など支援を拡大中。

株式会社LIXILグループ

  • 妊娠が分かった時点から復職までのステップを可視化し関係者で共有
    妊娠が分かった時点から復職後約3ヶ月までの期間を対象として、本人・上司が取り組むこと、人事への手続きを示したロードマップを作成。
  • ワーキングマザーへのアンケート結果から分かった課題に対応するために、オリジナルのテキスト「前進マインド編」「セルフブランディング編」を作成。

最後に

ここまで、なでしこ銘柄を通して、企業のダイバーシティについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

新規採用女性比率や男性育児休業取得率など表層的なものではなく、経営成果につながる女性活躍推進の取り組みができているかどうか、こうした取り組みの「質」が重要であることが分かりました。

自分らしく働き続けたいと思う女性たちにとって、ダイバーシティは長期的なキャリア形成の後押しとなるのではないでしょうか。

ぜひ、企業選択や働き方選択の参考にしてみてください。

【出典】平成29年度なでしこ銘柄レポート

http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180322002/20180322002.html