ワークスタイルが多様化しつつある今、パラレルキャリアが注目されています。
女性は特に、結婚・出産を経験すると仕事に対する考え方が変わったり、今までと同じ働き方ができなくなったりする可能性が高いですよね。
パラレルキャリアを通して、自分自身をアップデートし、仕事の選択肢を増やすことができれば、将来ライフステージの変化によって環境が変わった時でも、自分が納得し、満足できる働き方ができるかもしれません。
「聞いたことはあるけど、パラレルキャリアってなんだろう?」
「誰にでもはじめられるものなの?」
今回は、こんな疑問点を解消しながら、パラレルキャリアについて詳しくご説明します。
パラレルキャリアは「将来に向けた自己投資」
複業や副業ではないの?
複業は複数の職業を持ち働くこと、副業は本業とは別にあいた時間でさらに収入を得ることです。
どちらも収入を得ることが目的ですね。
一方、パラレルキャリアは、本業とは別にあいた時間を使って、第2のキャリアをつくることです。
【スキルアップ】【夢の実現】【趣味を深めること】【ボランティア活動】なども含まれ、収入をともなうとは限りません。
この点が複業や副業とは大きく違うポイントです。
パラレルキャリアは収入を得ることよりも、将来に向けた自己投資が大きな目的なのです。
パラレルキャリアが注目されるのは、なぜ?
働き手個人のキャリアパスの描き方は、近年大きく変化しています。
終身雇用や年功序列が当たり前だった時代は、企業の中である程度型化されたキャリアパスがあり、働き手は、提示されたキャリアパスにそってスキルアップしていくことが「普通」でした。
しかし最近は、経済市場の急速な変化にともない、誰もが知る大企業でさえも経営が傾き、倒産・買収されるようなニュースが飛び込んでくることもあります。
こうした現状からも「会社に勤めていれば安心」という考え方はもはや通用せず、企業に頼らずとも自分の人生やキャリアは、自分自身で描いていく「キャリアオーナーシップ」が重要だと考えられるようになりました。
パラレルキャリアは、働き手個人が主体性を持ってキャリアを考え、自ら選び、高めていくためにも、有効な手段として注目されているのです。
今では、パラレルキャリアを通じて、本業とは違う経験を積み、その時に得たスキルや知識を本業に活かしてもらうことに期待して、パラレルキャリアの考え方を積極的に取り入れる企業も増えていきています。
働き手が選ぶさまざまなワークスタイルに対応するために、「フレックスタイム制度」「在宅勤務」「リモートワーク・テレワーク」など、企業が提案する働き方も多様化してきていますよね。
働き手個人にとっては、仕事の幅を広げることができ、さまざまな場面で必要とされる人材を目指すこともできるため、キャリアの選択肢も増やすことにつながるでしょう。
企業・個人の両側面に、相乗効果があるという点からも、パラレルキャリアの注目度は高いのです。
パラレルキャリアのメリット・デメリットは?
パラレルキャリアは、自分自身のキャリアに選択肢を増やすためにも、効果的な考え方だということがわかりました。
実際にパラレルキャリアに挑戦するにあたり、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まとめてみたいと思います。
メリット
メリット1|稼げる
パラレルキャリアを考える時、稼ぐことが第一の目的ではないかもしれませんが、「お金にはならないかな」と思ってはじめた活動でも、工夫し続けるうちに、結果的に稼げるようになることもあります。
好きなことをブログで発信しているうちに、広告収入を得られるようになったという例もあります。思いがけず収入が増えたらうれしいですよね。
メリット2|やりたいことができる
会社に勤めて仕事をしていると、時にはやりたくない仕事に取り組まなければならないこともあるかもしれません。
しかし、パラレルキャリアとして新しい取り組みをはじめるのであれば、自分自身がやりたいことを選べます。
本業での収入があるので、本業にはできず諦めていたことにも安心してチャレンジできます。
メリット3|新しい居場所を見つけることができる
普段の生活では、1日の多く時間を会社で過ごしている人も多いでしょう。
毎日同じ場所に行き、同じ人に会い、同じ業務をして1日が終わってしまい、同じことの繰り返しで新しい刺激を受けることは少ないかもしれません。
パラレルキャリアとして、新しい挑戦ができれば、いつもの職場とはまた違う環境や人々、考えに触れることができます。
メリット4|時間を有効に活用できる
自分のできる範囲で、無理なく挑戦できることがパラレルキャリアの醍醐味。
平日の出勤前の朝活や、仕事を早く終えての夕方、予定がない休みの日など、好きな時間に好きなだけ取り組むことができるので、自分の限りある時間を有効に活用できます。
メリット5|仕事の幅が広がり本業に活かせる
パラレルキャリアを通して、新しいスキルを磨くことができれば、本業でも活かすことができます。スキルそのものが活かせずとも、本業での新しい発見につながるかもしれません。
結果的に、会社での評価につながることもあるでしょう。
同じ会社の中でも、分野が違う部署に異動しようと思えたり、今までは引き受けられなかった仕事に挑戦できたりと、自分自身の仕事の幅が広がる可能性もあります。
デメリット
デメリット1|時間がなくなる
一番のデメリットは時間がなくなることです。
本業をしながらあいている時間に別のキャリアとして活動するので、休日を使えば休みはなくなります。
忙しすぎて体調をくずし本業を休むことになっては本末転倒です。本業に影響が出ないように自己管理することが大切です。
デメリット2|やりたいことがすぐに見つからない
パラレルキャリアとして、新しいことに挑戦してみたいけど、やりたいことがすぐに見つからないという人は多いでしょう。
そのようなときは【好きなこと】【得意なこと】【自分の理想】【こどものころの夢】などを思い出してみましょう。
経験がないことでも、少しでもおもしろそうと思うことあれば、ひとまずはじめてみるのも手です。
女性がパラレルキャリアにチャレンジするなら
自分のキャリアをアップデートできるパラレルキャリア。
「挑戦してみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。
ここでは、実際にパラレルキャリアにチャレンジするなら、どのようなプロセスで進めていくべきかをご紹介します!
1st STEP|ちょっとしたことからはじめてみよう!
まずは、固く考えずにちょっとしたことからはじめてみましょう。
趣味を活かす軸で考えてみれば、自分の好きなことなので楽しくできるし、長続きしやすいのでおすすめです。
ピアノやバイオリンなど楽器の演奏が趣味であれば、近所のこどもに教えるとか、料理であれば料理教室を数人ではじめてみるというのも気軽なチャレンジの仕方です。
「やりたいことが絞れない」「未経験のことをはじめることに不安がある」という場合は、異業種交流会や勉強会のように新しいコミュニティに参加してみてもいいかもしれません。
自分とは違う経験値をもった人たちの話を聞いたり、自分の考えを話したりするうちに、自分のやりたいことが見えてきたり、不安が解消されるきっかけになることもあります。
また、やりたいことがあるけれどスキルが身についていないのであれば、習いごととして挑戦してみる選択肢もあります。
ボランティア活動に参加して、自分の得意なこと・スキルを活かし、役立てる方法もあります。
ボランティア活動はネットで多く募集があり、1日単位でできるものもあります。川や海のごみをひろう自然保護活動、老人ホーム訪問、こどもの見守り、スポーツ大会の運営サポートなど種類も幅広くたくさんあります。
パラレルキャリアの 1st STEP
- 趣味を活かして新しい取り組みをはじめる(音楽教室や料理教室など)
- 異業種交流会や勉強会に参加する
- スキル取得のために習いごとをはじめる
- ボランティアに参加する
2nd STEP|本格的に仕事化してみよう!
パラレルキャリアの進め方に慣れてきたら、少し本格的に行動してみましょう。
今まではコミュニティ参加するだけだったものを、自分で企画して新しいコミュニティを立ち上げて運営してみたり、習いごとをしてスキルに自信が持てたら、アルバイトやフリーランスで仕事をしてみる、といったようにステップアップしてみましょう。
自分自身が主体となって行動し、周りを巻き込んでいくことができれば、自ずと取り組みは大きくなってきます。
ボランティアの経験を通して学んだこと、見えた新しい世界、そして新しい自分の想いを形にして、慈善団体をつくるまでに発展することもあるかもしれません。
仕事化することがパラレルキャリアの最終的な目的ではありませんが、自分が「天職だ」と言えるような仕事に出会えたら、うれしいですよね。
パラレルキャリアとしての取り組みは、もしかしたら「天職」に出会えたり、自分らしい仕事や働き方を創り出したりすることにつながるかもしれません。
パラレルキャリアの 2nd STEP
- 自分で企画してコミュニティを形成してみる
- アルバイトやフリーランスで仕事をはじめてみる
- 取り組みの規模を拡大してみる
新しい趣味や習いごとをはじめるだけでも、パラレルキャリアのスタートです。
「やってみたい!」「おもしろそう!」と思うことがあれば重く考えずに、できることから行動してみましょう。
パラレルキャリアは女性のキャリアアップデートにつながる
女性は昔から多くの役割を並行してこなしている
社会に家単位が確立した中世、武家や公家の家では、男性は家の外で収入を確保すること、女性は家の中で家事、育児、そして収入をやりくりをして、家全体を支えることが役割でした。
このように、たとえ家の中だけであっても、女性は昔から多くの役割を並行してこなしていました。
このような意識は、家制度が廃止になったあとも自然と引き継がれているように思います。
共働きが当たり前になった現代、女性は家の外で仕事をするようになっても、家に帰れば家事をこなし、育児もあります。
最近は、男性も家事や育児をするようになってきましたが、その多くを担っているのはいまだ女性です。
会社での顔・妻の顔・母親の顔といくつもの役割を器用にこなすことができる女性は、本業とは別の顔を持つパラレルキャリアに向いているとも考えることができます。
パラレルキャリアにつながる種は、身近なところにも
また子育てをしていると、PTAのように学校・地域の活動にも参加する機会もあります。
PTAは、こどもたちのためのボランティア活動で、活動内容は運動会などの学校行事・地域イベントの運営や手伝い・登下校の見守り・地域パトロール・学校やPTAの広報など、実に多くの活動があります。
PTAに積極的にかかわることでも、スキルを磨いたり、新たに自分の得意なことを発見したりすることもできるでしょう。
そう考えると、PTAも立派なパラレルキャリアといえますよね。
パラレルキャリアは内容も時間も自由で、こうしないといけないという決まりもありません。
好きな趣味や習いごとをするといったように、ちょっとしたことでも、構えずに気軽にはじめてみることがそのスタート地点なのです。
すぐに結果を求めるのではなく、中長期的に将来を見据えたキャリアパスとして、パラレルキャリアを考えてみてくださいね。
まとめ|パラレルキャリアでライフキャリアをHAPPYに
2019年、女性の平均寿命は87.32歳で過去最高となりました。
長い人生、ひとつの仕事にとらわれず、自由に生きるためにも、パラレルキャリアにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「自分に合った仕事ってなんだろう?」「本当は好きなことを仕事にしたい!」「同じ毎日のくり返しにものたりなさを感じる」と思ったことはありませんか?
転職となるとハードルが高いけれど、パラレルキャリアなら簡単にはじめられるかもしれません。
ぜひ、一歩踏み出し、新しい挑戦をしてみてくださいね!