2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、国内外から観光客等が集まり、交通混雑が予想されることから、政府はリモートワークが混雑回避の切り札だとしています。
実は、今週7月23日~27日の期間は「テレワーク・デイ」と定め、全国一斉にリモートワークを実施をしています。
※テレワークはリモートワークと同義です
職場にいなくても、在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方をするのがリモートワーク。
ただし、リモートワークは誰でもできるかというとそうではありません。リモートワークを実施するにあたってルールを定めている企業もあります。
本記事では、リモートワークをするために必要なスキルとポイントをご紹介します。
リモートワークの普及状況は約16%
リモートワークがどんなものなのか理解はできると思いますが、実際に利用するとどんなメリットがあるのかみていきましょう。
リモートワークのメリット
01|社員の業務効率の向上
職場に出社しないため、会話をしたり、MTGをしたりする時間が削減する分、業務に集中することができます。したがって、生産性向上が期待できます。
Harvard Business Reviewの研究では、複数の企業でリモートワークを導入した結果、13.5%も生産性が向上したことが証明されています。
02|通勤時間の削減
都心では通勤ラッシュの時間帯になると電車は満員となり、通勤だけでストレスが増すなど健康や体調におよぼす影響が大きいとされています。
この朝の通勤時間を削減することで、心身ともに健康な状態で業務に取り組むことができます。
03|柔軟な働き方ができる
働く場所を自分で選択することができるため、ライフスタイルにあわせて仕事の仕方を変えることができます。
例えば、こどもの体調が悪い場合、自宅で世話をしながら仕事をする、台風や大雪で出勤が困難な場合、無理をして職場に行かず自宅で仕事をする、などより効率的な働き方を実現できます。
実際にリモートワークを取り入れている企業は少ない
メリットの多いリモートワークですが、実際には、どのくらいの企業が、働き方のひとつの選択肢として、取り入れられているのでしょうか。
普及率について調べてみました。
総務省では、日本国内のリモートワークの普及状況についての調査をまとめています。
この調査結果によると、リモートワークを導入済・導入予定の企業は16.6%、利用者数においては5%未満の企業が45.4%という結果でした。
働き方改革法案も可決され、生産性向上が叫ばれていますが、こうしたリモートワークによる働き方の多様化は、まだスタートしたばかりのようです。
リモートワークは、職場以外のワークスペースで仕事をし、別の場所にいるメンバーと連携を取りながら通常業務を進めるため、企業と従業員の「信頼関係」が重要なポイントとなります。
今後、リモートワークの導入はどんどん推進されていくと考えられます。
そのときに、わたしたち従業員が、働き方のひとつの選択肢としてリモートワークを活用できるよう、必要なスキルとポイントを把握しておきましょう。
リモートワーク活用にはスキルが必要!
リモートワークときくと、【職場に行く必要がなく自宅で仕事ができる】【1人だから仕事がはかどる】【仕事と家庭の両立ができる】など、メリットが多そうですよね。
しかし、リモートワークの実態はそんなに甘くはないようです。
リモートワークで仕事をするということは、職場のメンバーに見られていない環境で働くことになるため、実は自己管理が大切なのです。
リモートワークを賢く活用するにあたって個人に必要なスキルをまとめてみます。
01|ITに関する基礎知識が必要
リモートワークをする場合、職場以外の場所で仕事をすることになります。
つまり、万が一パソコンに問題などが起こったとしても自分ひとりで解決しなければなりません。
事象の原因がわかるくらいには、知識をもっておけるといいでしょう。
02|小まめな報・連・相をする姿勢
職場の上司やメンバーと顔を合わせることなく仕事をするため、直接会話をする機会が減少します。その分、自分から「報・連・相」を徹底し、状況を伝える姿勢がとても大切です。
電話・メール・チャットツールなどにおいても、正確に物事を伝える能力や、自分の考えをきちんと言語化できる能力が必要です。
03|自立して仕事をする姿勢
自宅で仕事をする場合、仕事以外の誘惑が多そうですよね。
職場での仕事に比べると、リモートワークは自由度が高く、個人の働き方が尊重されます。その分、しっかりと自分を律して仕事に取り組まなければなりません。
自分で1日のスケジュールやタスクを決めて、期日までに遂行する力が必要になります。
あるいは、問題が発生した場合、状況を自分で理解し、分析し、解決できる力を身につけておく必要があります。
物理的に距離があると、誰かに頼ることが難しいため、分からないことはWEBで検索して解決法をみつけ、自ら解決する姿勢とノウハウも必要になります。
04|仕事に対する責任感を持つこと
自分の思いのままに仕事時間をコントロールできるリモートワークですが、それが原因で仕事の成果に影響が出ることはあってはならないことです。
より生産性が高いと考えられる柔軟な働き方を選択しているからこそ、良い成果を出すことが求められます。このことを認識した上で、仕事に取り組まなければ「信頼関係」が崩れてしまいますね。
このようにリモートワークを活用するのであれば、職場で働く以上に「仕事に取り組む姿勢」が重要視されます。
特別なスキルではありませんが、高い自己管理スキルが必要になるようです。
効果的なリモートワークのポイント
日本マイクロソフトはリモートワークを導入・推進している企業のひとつです。
同社が実施したリモートワークに関する調査結果によると、「10%以上の経費削減効果」(39%)、「時間削減効果」(64%)、「生産性向上・効率化効果が1割以上向上」(60%)などの効果が出ているそうです。
リモートワークを活用し、生産性をあげる従業員が増えれば、それだけ導入する企業側にもメリットが大きいようですね。
ここでは、働き手としてリモートワークを活用する際のポイントをご紹介します。
01|ワークスペースをつくる
リモートワークを自宅で実施する場合は、メリハリをつけるためにワークスペースをつくりましょう。
そのワークスペースには、私物など誘惑となるものは持ち込まず、仕事に集中するためのスペースにすることが重要です。
02|身なりを整える
こどもの看病や介護をしながらリモートワークをする場合以外は、できるだけ身なりを整えて仕事をするように心がけましょう。
完全にオフの身なりにしてしまうと気が緩んでしまい、リラックスはできますが集中力に欠けてしまいます。
スーツとまではいかなくても、オフィスカジュアルに近い身なりにするといいでしょう。
03|リモートワークをする曜日・日数を決める
特別な理由がない限り、1週間すべての仕事日をリモートワークにするよりも、1週間に数日は職場へ出勤する日を設けましょう。
職場の上司やメンバーと顔を合わせない状況が長く続くと、仕事効率が下がると言われています。
リモートワークをする曜日・日数を決めて、それ以外は職場に出勤し、仕事の進捗や評価を上司やメンバーと話すようにしましょう。
こうしたメリハリをつけた働き方をすることで、業務時間を効率的にスケジューリングすることができ、仕事の成果も出しやすくなります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
日本での導入はスタートしたばかりですが、企業側も、出退勤時間削減や生産性向上などの効果がでています。
ライフスタイルに変化が起こりやすい女性にとって、仕事と家庭・育児を両立する手段として導入され、活用できればうれしいことですよね。
加えて、利用する機会を想定して、自己管理しながら仕事をする準備をしておくことで、将来への不安を取りのぞくこともできそうです。
みなさんの仕事と家庭・育児を両立していく方法のひとつとして、いまのうちから備えてみてくださいね。