年収1000万の男性と結婚するより、世帯年収1000万の共働きが安心!?近年は夫婦で共働きをする家庭がスタンダードになってきましたね。
共働き世帯が増加してきましたが、世帯年収や貯金はいくらが平均なのでしょうか。また、ライフステージ別の家計収支はどのように変化していくのでしょうか。
今回は、共働き世帯の世帯年収や貯金、ライフステージ別の家計収支についてご紹介します。
共働き世帯の実収入は月60万円
共働き世帯
総務省が実施した家計調査報告(家計収支編)によると、共働き世帯の実収入は、月平均60万8491円(年換算で730万1892円)となり、前年に比べて0.6%の増加となっています。
また、実収入の内訳をみると、世帯主の実収入が44万1141円(年換算529万3692円)となり、配偶者の実収入が13万7767円(年換算179万971円)となりました。
消費支出は33万5859円で、前年に比べ0.6%の増加。消費支出に占める割合を夫のみ有業の世帯と比べると、支出は3万169円高くなっています。
年代別の共働き世帯の世帯年収は、次の通りになっています。
- ~29歳:432万4272円(1カ月あたり36万256円)
- 30~39歳:559万8024円(1カ月あたり46万6502円)
- 40~49歳:647万9040円(1カ月あたり53万9920円)
- 50~59歳:713万7432円(1カ月あたり59万4786円)
20代でも月36万円の実収入があります。世代が上がるごとに約6万円~10万円増加しているため、共働きの場合は世帯年収も上がる傾向にあります。
夫のみ有業世帯
ちなみに、夫のみ働いている有業世帯の場合も調べてみました。
実収入の月平均は50万2839円(年換算で603万4068円)で、前年に比べて0.4%増加しました。一方、消費支出は30万3690円で、前年に比べ実質0.3%の減少しています。
共働き世帯と比べると当然実収入は減少し、それに伴い支出も3万169円低くなっています。
つまり、ライフイベントがあっても、その後復職しキャリアを維持することができれば、今だけではなく将来にかけて世帯年収をあげていくことにつながります。
共働き世帯の貯金は406万円
2人以上の勤労者世帯(共働き世帯)の1世帯あたりの平均預貯金額は、下記の通りです。
- 29歳以下:307万869円
- 30~39歳:397万31円
- 40~49歳:436万505円
- 50~59歳:466万459円
世帯年収と同じように、世代が上がるにつれて、預貯金額も増えていることがわかりますね。
共働き世帯の場合、給与の30%~40%を貯金に回すことが理想的だと言われています。女性の手取りをまるまる貯蓄に回すことができればさらに理想的とされていますが、女性も自分に投資するときには思いきって投資できるよう、ライフキャリアプランを夫婦で共有しておくことをおすすめします。
また、共働き世帯にこどもが1人いる場合、消費や教育費などの支出が増えるため、給与の15%から20%貯金に回すのが理想的とされています。
世帯年収の最新データを調査!世帯年収別の暮らし・収支の比較【2018年7月版】
2018年7月に厚生労働省が最新の世帯年収調査を発表しました。最新情報と世帯年収別の暮らしについてまとめました。一番バランスがいいのはどの世帯年収でしょうか。
ライフステージ別の家計収支
つづいて、ライフステージ別による家計収支の変化を調べました。
総務省が実施した全国消費実態調によると、下記のように年代別にステージを仮定しています。
また、それぞれのステージによる支出の変化はとても興味深い結果となりました。
第1ステージ | 夫婦のみの世帯(夫30歳未満) |
第2ステージ | 夫婦とこどもが2人の世帯(長子が未就学児) |
第3ステージ | 夫婦とこどもが2人の世帯(長子が中学生) |
第4ステージ | 夫婦とこどもが2人の世帯(長子が 大学生) |
第5ステージ | 夫婦のみの世帯(夫60歳以上) |
第1ステージ|夫婦のみの世帯(夫30歳未満)
このステージで支出が高いのは「住居」という結果になりました。消費支出に占める費目別割合をみると「住居」が16.9%と、他のステージと比較して高くなっています。
第2ステージ|夫婦と子供が2人の世帯(長子が未就学児)
このステージは夫婦の間にこどもが2人いる家庭ですが、消費支出に占める費目別割合をみると「被服及び履物」が5.0%と他のステージと比較して高くなっています。
また、こどもの出産・育児にともなう「教育」が8.4%を占めているようです。
さらに、有業人員が1.45人と第1ステージと比較して少なくなっていることから、出産・育児によって女性が会社を退職、もしくは休業していることもうかがえます。
第3ステージ|夫婦と子供が2人の世帯(長子が中学生)
このステージはこどもが中学生になっている家庭です。消費支出に占める費目別割合をみると「食料」が20.5%と高くなっていることから、子供の食事代などへの支出が多くなっているようです。
また、有業人員が1.68人と第2ステージと比較して多くなっていることから、女性が再び社会復帰していることがうかがえます。
第4ステージ|夫婦と子供が2人の世帯(長子が大学生)
このステージはこどもが大学生になっている家庭です。消費支出に占める費目別割合をみると「教育」が26.8%と高くなり、「教育」以外の費目は他のステージと比較すると低い傾向になっているようです。
また、有業人員が1.85人と最も多くなっているため、最も共働き世帯が多いステージになっていることがうかがえます。
第5ステージ(夫婦のみの世帯(夫60歳以上))
このステージは、こどもが独り立ちし、夫婦の時間がもてるようになっている家庭ですが、消費支出に占める費目別割合をみると「自動車等関係費」が9.7%、「交際費」が9.5%と他のステージと比較すると高くなっていました。
夫婦の世代、こどもの成長に伴い、家計収支にも変化があることがわかりますね。
共働き世帯の最大のメリットは老後にある?!
上記のとおり、共働き世帯のメリットは金銭面にありますが、その恩恵は現役時代だけではありません。
夫のみ有業世帯に比べ、老後の「年金収入」に大きな差が生まれます。
妻が現役時代に一定以上の収入を得ている場合、扶養を外れて「厚生年金」などに加入し年金保険料を支払うことになります。
現役時代には大きな負担となるものの、支払ったお金は年金となって戻ってきます。
例えば、もし妻の年収が300万円だったとして、厚生年金に加入しつつ25年間働いたとします。そうするともらえる年金は専業主婦に比べて年間40万円以上も多くなるのです。
共働き世帯も増えつつありますが、老後の生活や貯蓄を考え、改めて自分自身のライフキャリアを見直してみてもいいかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、共働き世帯の世帯年収、貯金、ライフステージ別の家計支出をみてきました。
世帯年収や貯金に関しては、比較ができる目安の金額が把握できるだけでも、ご自身の世帯の現状把握ができたのではないでしょうか。
また、「よし!給与の30%~40%を貯金に回そう!」と思い立った方は、夫婦で現在どの項目の支出が多いのか見直し、どこに支出をし、どこを貯金に回すのか話し合う機会にしてみてくださいね。
みなさんのライフキャリアを充実させるための参考になればうれしいです。