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定年後をどう生きる?!「定年女子」の実情とセカンドキャリアについて調べてみた

20代・30代の女性にとって、「定年女子」という言葉は聞き慣れない言葉かもしれません。

2017年にNHKプレミアムドラマで「定年女子」というドラマが放送され、話題になった言葉なのですが、突然、役職定年を言い渡され、第二の人生探しにチャレンジする女性の姿が描かれています。

女性の就業率が上昇している今、こうした「定年女子」が増えると考えられます。そして、「人生100年時代」には男女問わず、自分で自分の定年をのばししていく発想が求められます。

とはいえ、正直なところ、目の前のキャリア形成で手いっぱいで、「定年後のことなんてお金のこと以外は考えたことがない」「定年後に働くイメージなんてもっていない」と思う方も多いのではないでしょうか。

今回は「定年女子」をとりまく実情は一体どんなものなのか、その実態を調べてみたいと思います。

「定年女子」の実情は、働きたい想いと思い通りにいかない就活の板挟み?!

2013年「希望者全員を65歳まで雇用すること」を義務づけた「改正高年齢者雇用安定法」が施行されました。

これを受け、企業は2025年度までに希望者全員を65歳まで雇えるような体制を整える必要があり、(1)定年退職の廃止(2)定年の引き上げ(3)継続雇用制度(再雇用など)の導入のいずれかで対応することが求められました。

その結果、定年後に継続雇用された人は2012年の74%から、2015年には82%に上昇しています。

◆「働き続けたい」就業意欲が高い高齢者

内閣府が実施した「高齢者の日常生活に対する意識調査」に、「何歳頃まで収入を得る仕事がしたいか」という質問とその回答を集計した結果があります。

その結果を見てみると、「働けるうちはいつまでも」が42%、「70歳くらいまで」が21.9%、「65歳くらいまで」が13%、「75歳くらいまで」が11.4%という結果になりました。

つまり、定年という節目に関係なく、「働き続けたい」と考えている就業意識が高い高齢者が多いということです。

◆女性の定年後は「勤務継続」が一般的

つづいて、第一生命経済研究所が実施した「定年前後の再就職と継続勤務の為の準備についての意識調査」によると、60歳時点で正社員で働く人の現在の就労状況を「勤務継続」「再就職」「退職」の3つにわけています。

  • 勤務継続
    定年の有無に関係なく、同じ会社で継続勤務しているケース
  • 再就職
    定年を経験し一度退職したが、その後別の会社に就職したケース、または定年前に退職したが、その後別の会社に就職したケース
  • 退職
    定年を迎えて引退に現在無職、または定年前に退職し、現在無職のケース

定年にはこうした3つのケースがありますが、女性の定年後は、実は男性よりも「勤務継続」をしているケースが多いことがわかりました。

ただし、このケースでは、もともとの就労形態が「非正規社員」である場合が大半です。

  勤務継続 再就職 退職
男性 52.7% 26.0% 11.3%
女性 66.7% 16.0% 8.3%

第一生命経済研究所のデータをもとに編集部にて表を作成】

【参照元|独立行政法人労働政策研究・研修機構

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、「勤務継続」の雇用者の雇用形態は、「自社の正社員以外」が68.7%、「自社の正社員」が45.8%でした。

さらに、女性の非正規社員の割合は、60歳~64歳で72.1%、65歳~69歳で86.1%となっていることから、女性は「勤務継続」が多いものの、雇用形態が契約社員やパート社員といった「非正規社員」に変更するケースがあることがうかがえます。

女性の定年後の「勤務継続」は、雇用形態が「非正規社員」が多い。

◆女性の定年後の「再就職」に苦労、「ハローワーク」での仕事探しが主流

「再就職」に関しては男性の割合が多い結果になりました。定年以降、他の会社で働くことに女性はハンデなどがあるのでしょうか。

【参照元|第一生命経済研究所

「再就職」を経験した人に、再就職先が決まるまでの状況について質問すると、男性は「退職前から決まっていた」が36.8%、「すぐに見つかった」が30.3%でした。約6割が、次の就職先を探す期間は比較的短い結果でした。

これに対して女性は、「時間はかかったが見つかった」が15.6%、「職を選ばなければすぐに見つけられた」が17.8%、「あきらめて別の仕事を見つけた」が13.3%という結果になり、次の就職先を探す期間が長く苦労しているケースが多いことがうかがえます。

つまり、「定年後も就労し続けたい」と考えている場合、同じ会社に勤務し続けることが一般的であり、満足する会社を探すことに時間がかかったり、満足する条件を諦めざるを得ないことがわかります。

では、「再就職」を実現するために、男性と女性はどういった活動をしているのでしょうか。

【参照元|第一生命経済研究所

「再就職」を実現した方法を質問したアンケートでは、男性は「知人・友人が紹介してくれた」が36.8%、「前の勤め先が紹介してくれた」が26.3%が上位を占める結果です。

一方、女性は「ハローワークを利用した」が33.3%、「インターネットの求人情報で探した」が22.2%と、自分の力で仕事を探している方が多いことがわかります。

定年後、女性の「再就職」は「ハローワーク」「求人情報」などを利用した「自力」での就職活動である場合が多い

「職を選べる」ような能力・スキルを身につける定年女子が強い

定年後、働く女性の現状についてご紹介をしてきましたが、就職先探しでは女性は苦戦し、雇用形態も非正規社員に変更になる傾向がわかりました。

老後の年金受給額が下がってしまうかもしれない、という不安もある中、定年を迎えた女性がその後も働き続けるために、重視している条件は何なのでしょうか。

◆転職先で重視する条件は「長く働けること」

60代の女性が転職先を探す条件を調査したところ、【収入軸】では「金額にこだわらず、一定額の収入を得る」が就業中層、無職・専業主婦層ともに上位となりました。

つづいて、【仕事観】では就業中層は「長く働ける仕事に就く」ことへの希望が強く、「経験・スキルを活かせる仕事に就く」よりも高い結果になりました。

人生100年時代といわれるなかで、一定の収入を確保するために、長く働ける環境を希望していることがうかがえます。

◆自分の定年は自分で決める時代へ

現在、女性は「再就職」よりも「勤務継続」の割合が多いのが実情です。

新しい職を求めようにも、男性とくらべ会社を通じた紹介も知人の紹介も少なく、自分の満足する条件に当てはまる仕事探しに苦労する傾向が強いのです。

しかし、改正高年齢者雇用安定法が施行され、女性活躍推進が推し進められるなか、女性の就労人数は増加し、仕事の経験・スキルも高まりつつあります。今後は、男性と同じように女性の「再就職」の割合も増えてくることも予想できます。

また、転職後の「再就職」にしても、人脈だけではなく、【スキルや能力】によって選ばれる男女平等の就職に変わっていくでしょう。

さらに、今までの定年後は「勤務継続」「再就職」「退職」といった3つのケースでしたが、働き方に多様な選択肢がある今、定年後の仕事とのかかわり方も三者三様の描き方になるかもしれませんね。

これからは、定年の期日でさえも、自分で決める考え方が大切です。

最後に

モアキャリー読者のみなさんにとって、ライフイベントをはさむキャリア形成を考えることはあっても、もしかしたら定年後の働き方・姿などを考える機会はなかったかもしれません。

しかし、定年後も長く勤務できるよう法律がつくられ、高齢者の就労数は年々上昇し、「働き続けたい」という意欲の高い高齢者も増えています。

労働人口が減少する日本において、こうした高齢者の就労も大きな労働力となっていきます。今は、企業の定年後の就労に対するサポートも男性優位となっていますが、今後は女性に向けた動きも出てくることは間違いありません。

わたしたちにとっては30年・40年後の話ではありますが、国や企業の動きに注目しながら、どういった定年後の生活を送るか考える機会になりますね。

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