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共働き世帯が直面する6つの壁!?知っていれば備えることもできる

現在、女性の社会進出意欲の高まりや社会の後押しもあって、共働きを選択する家庭が増えています。

働き方はさまざまですが、フルタイムで働いてキャリアを積む、パートタイムで働いて家計の足しにするなど、6割以上の家庭が共働きと言われています。

ところが、共働き世帯が出産・育児のライフイベントをむかえると、いくつかの「壁」にぶつかるのも事実です。

今回は、共働き世帯が出産・育児でぶつかる「壁」について、その内容、原因についてまとめてみます。

共働き世帯が直面する6つの「壁」

出産・育児は夫婦にとって喜ばしいことですが、その反面「壁」と呼ばれるように苦労もあるようです。具体的にみていきましょう。

1|マタハラ・パタハラ

妊娠・出産・育児といったライフイベントをきっかけに、時間を気にせず残業ができていた会社員時代とは働き方も価値観も変化します。

近年は、こうしたライフスタイル変化期の女性に対する会社や上司の理解がされるようになってきました。しかし職場によっては、その変化を受け入れることができず、発生しまうハラスメントが「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)」です。

マタハラNetによれば、マタハラの被害相談は年々増えているそうです。マタハラにもさまざまな種類があり、問題は大きいようですね。

▽個人型
  • 昭和の価値観押し付け型
    世代による考えの違いを許容することができず、性別役割分担の意識によって女性の意思をくむことなく仕事から外されてしまうなどのケース。この場合、上司も悪気なく、むしろ「女性の配慮」と思ってしまっているのがやっかいなところ。
    「子どものことを第一に考えないとダメだろう」「君の体を心配して言っているんだ」「旦那さんの収入があるからいいじゃない」など。
  • いじめ型
    妊娠・出産などのライフイベントによる休業分を、カバーしなければいけない同僚たちの怒りや不満が、妊娠や育児中の女性に向けられてしまうケース。これは、組織として改善していかなければならない問題です。
    「迷惑なんだけど」「休めていいよね」「自己中」「ズルしてる」など。
▽組織型
  • パワハラ型
    妊娠・出産・育児などにより、長時間働けない女性に長時間労働を強制するケース。休業や時短勤務の制度があったとしても、その制度を特別なものと考え、利用することを良しとしない労働文化がある場合に発生しやすい問題です。
  • 追い出し型
    長時間働けなくなった女性を、労働環境から排除しようとするケース。「残業出来ないと他の人に迷惑でしょ」「子どもが出来たら辞めてもらうよ」など。
    マタハラ被害の多くがこの追い出し型のようで、妊娠したら解雇になるひどい会社も存在します。これは違法行為ですが、法律より昔ながらの慣習が優先されている例です。

最近は、男性が育児に参加しようとすると職場の上司や同僚が妨害することを指す「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)」も存在します。

「育休を取ったら出世にひびくぞ」「育休から復帰したら、おまえの仕事はない」など、子育て参加の流れが強まる反面、仕事の忙しさは変わらず、育休が取りにくいのが現状のようです。

男性の育休取得率は2016年度の調査では3.16%。政府が掲げる13%の目標には程遠いですね。

マタハラ・パタハラは個人の問題ではなく、組織風土などに起因する問題であることも多いです。男女雇用均等法や育児・介護休業法などに触れている可能性もありますので、ひとりでかかえこまず、第三者に相談するようにしましょう。

2|保活

出産を経て、いざ職場復帰を考えたとき、まず最初に立ちはだかるのが「保育園の壁」です。

政府が「待機児童ゼロ」を打ち出したのは2001年のことで、それから実際に保育園の定員は約50万人分増えました。とはいえ、政府が目指す女性就業率80%に対応するためにはまだまだ待機児童の課題は残ります。

おととしは、「保育園落ちた日本死ね」で保活に関して一気に注目されるようになりました。

都道府県、市町村によって状況は異なりますが、共働き夫婦やひとり親など、保育園を必要としている人が増えているため、都市部では保育園探しの活動である「保活」が必須となっています。

【参照元:世間を賑わせた「保育園落ちた、日本死ね」から2年。保活事情はどう変わった!?

厚生労働省の発表をもとにしたリクルート社の集計データによると、保育園の定員数は増えていますが、申し込み者数も同様に増えており、まさにいたちごっこ状態。結局、昨年度の待機児童数は2万6081人と前年度を上回る結果となりました。

実際に保活を経験したワーキングママの声をみると、保育園に入所させることがいかに難しいことなのか、そして情報集めに疲弊していることがうかがえます。

「希望者殺到で予約の電話が繋がらない」(渋谷区・2017年度保活)

「見学予約開始日の翌日にかけたら『もう見学日はすべて満席で、見学しないと申し込み自体できない(=あなたはもう入園できない)』と言われた」(杉並区・2017年度保活)

「7月時点で見学を締め切られていたりするので、妊娠中に動くべきだと思った」(川崎市・2017年度保活)

【参照元:保活が「大変」と言われる理由KIDSLINE

こうした状況から、保育園選考に有利なポイントを得るために妊娠前に引っ越して該当自治体への納税実績をつくったり、妊娠中から核施設を見学にいったり、希望の認可保育園に入るために認可外保育園へ一時的に預けて加点ポイントを獲得したりと、保育園に入所させるために試行錯誤する事態となっています。

3|再就職難・マミートラック

時短勤務をはじめとした子育て支援制度は少しずつ整ってきてはいますが、それでも仕事と子育ての両立が難しいのが現状です。日本では、第1子を出産すると会社退職する女性が6割もいます。

出産・育児で1度退職した女性が、子育てが一段落して転職市場に戻ってきても、再就職の壁は高く、多くはパート・派遣といった非正規雇用を選択しています。一度退職してしまうと「再就職」という壁が現れるのです。

また一方で、職場復帰して働き続けることができたとしても、出産前は残業でも出張でも、男性と同じように働いてキャリアを積んできた女性たちにも壁があるようです。

職場復帰後、時短勤務・残業不可・急な有休等によって昇進・昇格において周囲を差をつけられたり、雑務ばかりを任されるようになり、キャリア形成から外されてしまう、ワーキングママがおちいる「マミートラック」です。

【参照元:働く女のリアル|NHK】

NHKが実施した調査によると、マミートラックを「経験した」と回答した人は27.8%と4人に1人でした。

今焦らなくても3年後に再びキャリアに復帰できるように、一度レールを外れても何度でもレールに戻れるような仕組みが定着することが重要だと考えます。(40代前半・栃木県)

スーパーウーマンでなくても働き続けられること。その中で、有能でやる気のある人は昇進できれば良いと思います。(40代前半・東京都)

長時間労働、滅私奉公は根強く残っている。これを前提とした働き方が日本全体で変わらないと、女性の働き方は何も変わらないと思う。(30代後半・埼玉県)

【参照元:働く女のリアル|NHK】

また、同調査からマミートラックの経験者から寄せられた声をみると、子育てしながらキャリアアップできる仕組みの必要性や、キャリアをどう積み重ねるのか悩んでいる様子がうかがえます。

4|長時間労働(夫不在)

日本企業における最大の問題であり慣習であるのが「長時間労働」。これによって、もっとこどもと一緒の時間を過ごしたいと思っても、家にいる時間が少ないため実現できていない夫婦が多いのが現状です。

【参照元:子育て期にあたる男性の長時間労働|内閣府男女共同参画局】

内閣府男女共同参画局の調査によると、家事については、専業主婦の世帯で約9割の夫が実施しておらず、共働きの世帯でも約8割の夫が家事に携わらない結果となっています。「育児」については、妻の就業状態にかかわらず、約7割の夫がおこなっていないことがわかりました。

長時間勤務によって夫が会社で過ごす時間が長いため、どうしても妻に家事・育児の負担が集中していまいます。ワンオペ育児になると仕事に家事にと体力的にも精神的にもワーキングママが限界を感じてしまい、最終的にはワーキングママが会社を退職することを選択することになってしまいます。

女性が出産後に働き続けることができず、第1子を授かると退職する女性が6割もいたり、正社員だった女性がパート・派遣といった非正規雇用になるのは、こうした長時間労働など働き方全体の問題が大きく影響しています。

「長時間労働」をはじめとする働き方全体を変えていかなければ、「子育て」と「働く」の両立は難しいままです。

5|小1の壁

こどもが小学校に入学する際に直面するのが「小1の壁」。保育園では、延長保育があり、ある程度遅い時間までこどもを預かってもらえますが、小学校は帰宅時間がさらに早くなるため、ワーキングママの帰宅時間も早めなくてはなりません。

会社では、時短勤務制度の利用期間を保育園卒業までとしているケースが多く、フルタイムで残業にも対応しようと思うと、こどもが小学校の授業後の放課後の時間に「学童保育」に預かってもらうことになります。

学童保育は保育園よりも終了時間が早く、フルタイムで働くワーキングママは大変です。学童保育の45%は18時半までには終了、9割以上が19時までには閉所してしまいます。結果的に、フルタイムでも残業はできず、ワークスタイルを見直す必要にせまられ、退職をしてパート・派遣に変更したり、転職を選択するケースも少なくありません。

学童施設数は年々増加してはいますが、保育施設同様に学童保育の需要も増加しているため、待機児童数は増える傾向にあります。

【参考元:放課後児童健全育成事業の実施状況|厚生労働省】

さらに小学校では、PTA活動や参観日など平日に開催されるイベントもあります。基本的には平日の日中に開催されることが多く、会社の業務を調整する必要が出てきます。時短勤務制度は小学校時期こそ必要な制度なのかもしれませんが、融通の利く企業は少ないのが現状です。

6|小4の壁

学童保育の利用期間が小学校4年生から小学校6年生まで延長されても、実際に適用している施設は約3%に過ぎません。そのため、小学4年生以上のこどもは預かってもらえず、ワーキングママは仕事と子育ての両立を断念せざるを得ないこともあります。

それが「小4の壁」です。

【参照元:受験の現実 12歳で突き付けられる5つの選択肢|NIKKEI STYLE】

しかし、小4の壁とはこれだけではありません。実は、首都圏などの地域では「中学受験」を意識する家庭が多く、小学校4年生(正確には3年生の2月)から中学受験対策をスタートします。NIKEEI STYLEの調査によれば、首都圏では5人に1人が私立・国立中学校や公立中高一貫校を受験したという結果が出ています。

こどもを塾に通わせるためには費用がかかります。この費用を稼ぐために専業主婦から働きに出る家庭もあります。ですが、中学受験に合格するまで両親のサポートも必要。

塾に入れば安心ということはなく、こどもと一緒に両親も中学受験を乗り切る必要があります。そのため、こどもの近くでサポートしたいと考えるワーキングママは、小学4年生を機に会社を退職するというケースもあるうようです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

共働き世帯が出産・育児のライフイベントをむかえると直面する6つの壁をご紹介しました。さまざまな壁がありすぎて、すでに「私には難しい……」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

1人で解決できる問題ではないからこそ、パートナーである夫と働き方や家事・育児について話し合い、会社においては上司や経験者に相談しながら、心身が疲弊することなくうまく共働きが実現できることを願っています。

日本企業にとって、ワーキングママの退職は痛手であるのは間違いありませんし、理解している企業はすでに動き出しています。もっとワーキングママが仕事も家庭も両立できるように、今後新しい施策や情報を随時発信してみなさんのお役にたっていきたいと考えています。