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働き方改革で女性の働き方は変わった?女性活躍推進を背景に、働きたい女性は増えている

自分が理想とする働き方を実現したいと思うひとも多いのではないでしょうか。

2018年は「高プロ(高度プロフェッショナル制度)」が流行語大賞にノミネートされるなど、「働き方改革」も話題になりましたよね。

働き方改革のひとつの軸として、女性活躍推進があります。

名前はよく聞きますが、具体的にはどのような取り組みなのでしょうか。

働き方改革によって、実際に女性の働き方がどう変わったのかという点にも注目して、まとめてみたいと思います。

少子高齢化の実態と女性の活躍が期待されるわけ

ここ数年、「女性が活躍する社会を目指そう」という動きが活発であるように思います。

これには、どのような社会的背景があるのでしょうか。

労働人口の減少が進み、生産性を高める働き方改革へ

日本では現在進行形で少子高齢化が進み、その結果、労働力人口は減少、すなわち労働力不足が叫ばれています。

一方、革新的なテクノロジーの発展とともに、新しいビジネスモデルやサービスが生まれ、企業側が必要とする労働力は増え続けています。

こうした相反する事象を解決する施策として考えられたのが、働き方改革、そして女性活躍推進なのです。

少子高齢化とは、どういう現象なのか

ここで、この「少子高齢化」の現象をもう少し詳しくみてみましょう。

実は日本の高齢化のはじまりは、今から約50年も前の1970年。

WHOの水準を元に、全人口に対する65歳以上の高齢者の割合によって、下記のように呼ばれています。

日本は、10年前の2009年にはすでに「超高齢社会」に突入しています。

特に注目されるのは、団塊世代・団塊ジュニア世代の高齢化。各世代で800万人以上と人口が多い世代で、一挙に65歳以上の高齢者が増えるとされています。

団塊世代って?
  • 団塊世代
    第一次ベビーブーム(1947~1949年生まれ)
    出生数 合計約800万人
    2019年で72~70歳、2025年には75歳以上
  • 団塊ジュニア世代
    第二次ベビーブーム(1971~1974年生まれ)
    出生数 合計約820万人
    2019年で48~45歳、2050年には75歳以上

そして2007年前後からは、死亡数が出生数を上回るようになったため、同時に少子化が懸念されるようになりました。

国立社会保障・人口問題研究所が発表した人口推計によると、日本における高齢化はなお続き、2060年には、生産年齢人口は全人口の約半分まで減少すると推測されています。

このように少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少・労働力不足、ひいては国力の低下が懸念され、2016年(平成28年)8月に働き方改革の基礎となる基本方針が打ち出されました。

その中で労働力確保への道筋として期待されているのが、若者の雇用安定と女性・高齢者・外国人などの労働参加なのです。

女性の活躍が日本の国力を支える

働き方改革の中で、特に注目されているのが女性の活躍推進。

働き方改革に先駆け、女性活躍推進法が制定されています。

女性が安心して働ける職場を

内閣府の打ち出した一億総活躍プランでは、女性の活躍が重点課題であると中核に据えられています。

実は、先述の働き方改革の基礎である基本方針に先駆けて、「女性活躍推進法正式名称:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)」が2015年8月に国会で成立し、翌2016年4月に施行されました。

第一子出産にともなう離職、育児後の再就職での非正規雇用率の高さなどの課題に加え、女性管理職の割合の低さを課題とし、それを是正していこう、という取り組みです。

この法律では、各企業における女性活躍に関する情報の公開が義務づけられており、厚生労働省のデータベースで自由に閲覧することができます。

しかし、女性の働き方だけでなく男性の働き方も変えていかなければ、女性の負担だけが増えてしまうかもしれませんよね。

そこは、働き方改革そのものの中に、子育てと介護の環境整備、長時間労働の是正、男性の子育て参加促進などが盛り込まれています。

人生は100年時代へ

日本人女性の寿命は、大正14年には約43歳でした。

2017年では87歳(男性は81歳)に伸びています。純粋に人生が2倍に長くなっているというのは、すごい話ですよね。

そんな中、年金の支給年齢が65歳に引き上げられることにともない、60歳での定年は廃止され、65歳に延長されました。

定年を65歳で迎えたとしても20年以上の「老後」があります。

しかも驚いたことに、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏によれば「2007年生まれの半数が107歳まで生きると予測」されているのだそう。

現在の年金の仕組みは、いわゆる生産年齢人口にある成人たちが高齢者の年金をまかなうシステムです。

少子化が進む今、老後を不安なく生活するための備えとして、「働く」という選択肢は外せないものなのかもしれません。

女性の働き方は変わった?社会の動きの実態

さて、ここからは、数々の施策がある中、実際に女性の働き方が変わってきているのか、という点について考察したいと思います。

実際に働き方が変わったと感じるか?

働き方改革」という言葉についての認知度は9割を超え、2017年に比べても一気に高まりました。

エン・ジャパンが2018年2月におこなった「働き方改革」に関する調査では、「会社の働き方改革に対する取り組みで、あなたの働き方は変わりましたか?」との質問に対して、全体の51%が「変わらない」と回答しました。「変わった」と答えた人はわずか22%

「変わった」と回答した人からは、「長時間労働の見直しにより、部署の雰囲気および自身の仕事に対する姿勢がより効率的になった。また、周りの残業状況を気にせずに退勤しやすくなり、プライベートの予定を立てやすくなった。(26歳/神奈川県)」など、労働時間が短くなったことで、業務が効率化されたというコメントが寄せられていました。

ほかにも「育児休暇が普通に使えてる人たちをみて、結婚や出産に対する迷いがなくなりました。(29歳/愛知県)」というライフスタイルに合わせた働き方ができるようになったリモートワークができるようになったなどが具体例として挙げられています。

企業の具体的な取り組み

「働き方改革」に取り組んでいる企業の具体的な取り組みの内容

  • 「ノー残業デーや深夜残業禁止など長時間労働の見直し」約70%
  • 「有給休暇取得の推進」約50%

ただ、「半数が変化を感じられていない」ということは、実態にはまだ課題があるということかもしれません。

女性の管理職や復職のメンバーは増えている?

政府が課題として注目している、女性の管理職率や、出産・育児からの復職率(継続就業率)に変化はあるのでしょうか?

管理職比率

内閣府男女共同参画局がまとめている男女共同参画白書(2016年版)を見ると、管理職比率は2015年のデータで12.5%となっています。

長期的視点で見ると増加傾向にあるそうですが、海外の比率と比べてみても、まだまだ低いことがわかります。

ちなみにフィリピンは47.6%で、アジア諸国の中で唯一トップ10入りしています。

また、エン・ジャパンが2017年におこなった「女性の活躍」についての調査では、「これまで働いたことのある会社で「女性が活躍している」と感じたことがある」と答えた人のうち「女性の管理職や役員がいる」をそう感じた理由として挙げた人が6割を超えました。

そして、同じ質問に「いいえ」と答えた人はそう感じた理由として「女性の管理職がいない(41%)」、「女性の管理職が少ない(40%)」と、女性管理職についての項目が一番多くあがっています。

ただ、同じ調査で「管理職になることに興味はありますか」の質問に「ある」と答えた女性は36%であったのに対して、「ない」と答えた人は38%。管理職になりたくない女性が多い結果でした。

ライフイベント後の復職率

出産・育児などのライフイベント後の復職率(継続就業率と言います)はどうでしょうか。

2016年に内閣府の出した資料によると、2010~2014年に第一子出産後も継続就業している女性の割合は38.3%。

この数値は出産前も無職だった女性を含んでいるため、出産前も就業していた女性を100とした場合の継続就業率は53.1%となります。

2005~2009年の割合40.1%と比較すると増加しています。

政府の掲げる目標値が2020年までに55%なので、ライフイベント後の復職に関しての施策は良い進み具合かもしれません。

ライフイベント前とその後で働き方への考えって変わる?

ライフイベントは実際に迎えてみないとわからないことも多いと思います。

結婚の前後、出産の前後で働くことへの女性の意識に変化はあったのでしょうか?

厚生労働省が10年以上(2002~2014年)にわたって追っている調査では、下記のような数字が出ています。

結婚の前後では、就労意欲は変わらない

2012(平成24)年から2年間で結婚した女性(結婚前に仕事あり)の、第1回の結婚後の就業継続意欲別に結婚後の就業状況をみると、現在の仕事を「結婚した後も続ける」と回答した者のうち、同一就業を継続している割合は、69.4%

約7割の女性が、結婚後も仕事を続ける傾向にあり、2002年の前回調査同様に高い結果でした。

出典:厚生労働省 21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)

出産の前後では、

2002年からの12年間にこどもが生まれた同居夫婦(出産前に妻に仕事あり)について、妻の就業状況をみると、現在の仕事を「出産した後も続ける」と回答した者のうち、実際に同一就業を継続している割合は78.1%とのこと。

出典:厚生労働省 21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)

結婚を機に退職する女性が減っていることは予想していた通りでしたが、出産前から就業継続の意思がある女性の約8割が仕事を続けている、というのは筆者の予想以上に大きな数字でした。

編集部より

今回は「働き方改革」や「女性活躍推進法」にフォーカスしました。いかがでしたでしょうか?

すでにご存知のこともあったかと思いますが、女性活躍推進法は企業に対して義務を課すものなので、実際の改善が期待できますね。

次回は女性が働きやすい社会へ向けての課題や、実際に企業がおこなっている取り組みなどについてお届けします。