INTERVIEW

Style#24|「広報」を軸に4度の転職でつなげてきたキャリア。インアゴーラで挑戦する越境広報

女性がそれぞれの志向・ライフスタイルに合わせて働き方を選択できる世の中。

Style企画では、事業内容や雇用条件ではなく、ひとりひとりの働き方や志向性をもとに、女性が転職活動やキャリアを考えるきっかけづくりができればと思っています。

そんなStyle企画の第24弾は、インアゴーラ株式会社の板野可奈子さんにインタビュー。

外資系の広告会社からPR担当へ転身し、現在は仕事と家庭のバランスを意識して働く板野さんの「はたらくスタイル」をお届けします。

インアゴーラ株式会社

『ショッピングに国境はない』ショッピングから国境をなくし、日本の優れた商品やサービスを世界のお客様に提供することがインアゴーラの使命。現在は、日本の商品やサービスをインターネットを通じて中国を中心に海外展開する越境EC事業の運営、これらに伴うマーケティング、物流、コンテンツ制作など複合的な付帯事業をおこなう。

周りに活かされてキャリアが形成された

−−これまでの板野さんのキャリアを教えてください!

板野さんこれまで4社ほど経験してきました。

大学卒業後、株式会社マッキャンエリクソンに新卒で入社しました。私は大学が関西なので、当時は大阪支社に配属されたのですが、入社2年目のタイミングで結婚し、入社4年目で夫の転勤に合わせて東京に来ることになったんです。キャリアとしてはこれからというタイミングでの退職でした。

退職後、少しの間ですが、専業主婦を楽しんでいました。女性には、遠慮して人のお金を使えない人と、気にせずに使える人、2つのタイプがあると思うのですが、私は遠慮せずにお金を使えるタイプでした(笑)

時間もお金も浪費しながら、毎日を有意義に過ごしていたんです。それを見た夫から「それだけエネルギーがあるのであれば、もったいないから仕事したら?」とアドバイスがあって。

「どうしようかな」と考えていたら、知人から「東京にいるなら化粧品の『Dior』でPR職の人材を探しているみたいだよ」という話があり、紹介していただいて、採用面接へと進みました。その時はまだ「化粧品って?」「PRの仕事って?」と、理解できていないことも多かったのですが、『Dior』を管轄するLVMHグループで採用していただきました。

『Dior』のPR業務では、まず商品を梱包してメディアにお貸出しすることからスタートして、その後、プレスリリースの作成や雑誌各社やメディア各社への訪問活動、PRイベントの運営なども経験させてもらいました。

--板野さんの思う広報職のやりがいって何ですか?

板野さん『Dior』のPR活動を通して、お客様やより多くの方に「ブランドの良さを伝えている」と実感できるのはやりがいだと思いました。

また、これは当時叩き込まれた考えなのですが、広報というのは自分のための仕事ではないのです。

『Dior』が大切にしているのは商品を手に取るお客様であり、お客様にとって一番身近な存在である美容部員。

広報業務の目線の先には、必ずお客様と、『Dior』の魅力を直接お客様に伝える美容部員がいて、こうした方々に情報を発信しているんですね。

この教えがとても心に残っていて、仕事そのものが有意義で楽しかったのを覚えています。

商品もノベルティも美しいものばかりで、心がめげそうになったら半年先に発売されるプロダクトのブックやサンプルを見て、「この実物を見るまで辞められない」と奮い立たせて、気がつけばLVMHグループで6年以上勤めていました。

『Dior』のPRに携わり、ブランドの名前を汚さないように、ブランドに相応しい人間になることを大事にしていたのですが、当時関西弁が抜けきらなくて。

ついつい関西弁で電話をしていると、扉の向こうから「あら、板野さん、ここはDiorよ~」なんて上司から指導されることも(笑)

私自身の素養は決してバリキャリのようなタイプではないのですが、上司、同僚、部下、友人に恵まれて、仕事を楽しめたからこそ長く働いてこられたのだと思います。

「広報」を軸にキャリアをつなげる

--LVMHグループからアマゾンに転職されたんですよね。転職にはどういった経緯があったのですか?

板野さん「ファッションにもっと関わりたい」という気持ちが強くなって、大変悩んだのですが、アマゾンがファッションストアを強化するタイミングだったこともあり、ここでも広報として転職することにしたんです。

当時のアマゾンは、日本ではまだ今ほど認知されておらず、会社の規模も大きくなかった時代です。私もアマゾンの面接を受けるまで一度もアマゾンで買い物をしたことがありませんでした。

私のメンターである産業医の友人から、当時のアマゾンのようにまだファッション分野が確立されていない組織の中で、自分の持っている知識やノウハウを活かすことは、すごくバリューの高いものになるとアドバイスをもらって。

私自身もアマゾンのもつデータオリエンテッド、数字オリエンテッドの考え方から学ぶことは多いと感じました。

この転職は、本当にタイミングがよかったと感じています。

想像していた通り、アマゾンには学べる環境がたくさんありました。

アメリカ人の上司から「どうせだったらMBA取ったら?」と言われ、2年間大学院にも通い、日本でMBAを取得しました。当時を思い出すと、勉強と仕事しかしていない、大変な2年間でしたね(笑)

アマゾンに入社して痛感したのは、ビジネスに対して無知な自分。ビジネスのセンスはアマゾンで学ばせてもらいました。

その後、より経営層に近いポジションで仕事をしたいという想いが芽生え、それを実現するポジションだったことが魅力で、ショップジャパンを運営している株式会社オークローンマーケティングに転職しました。

アマゾンとは「通販」という部分では同じビジネスモデルですね。

オークローンマーケティングでは、広報&ブランディングの統括部長として働いていました。入社して3年目に出産して復帰もしています。

--インアゴーラに転職されたきっかけは何だったのでしょうか?転職を決意されたポイントなどがあれば教えてください!

板野さん転職を決意したポイントは、事業の立ち上げを経験できることでした。

インアゴーラの役員にアマゾン時代に一緒に働いたメンバーがいるんです。その1人がFacebookに会社の取り組みを日々上げていて、興味を持ちました。彼に「インアゴーラって広報を募集していない?」と冗談で聞いたところ、幸運にもちょうど探しているタイミングで、「CEOに会ってみてよ」と驚異的な早さで話が進展しました。

実は、この転職の決断もまた大変悩みました。

オークローンマーケティングではとても優遇していただき、ワークライフバランスも整っていました。私の復職に合わせて、給与などの条件を変えることなく時短勤務にしてくれたり、経営企画部に私が管轄する広報部門を作って今まで担当していた業務の一部を別の部署へと切り分けてもらえたり、なるべく負担がかからないように配慮してくれたんですね。

それでも転職を決意したのは、インアゴーラがまだ知っている人が少ないベンチャー企業だったから。

誰も知らない企業の活動やサービスを、世界中の人に知ってもらえるように伝える仕事に魅力を感じたんです。これまでの広報の経験を活かして、大きなチャレンジができると思いました。

広報が国と国の架け橋に。インアゴーラで挑戦する新しい広報のかたち

−−今インアゴーラで携わっているお仕事について教えてください。

板野さんメイン業務は広報で、PRディレクターとして広報戦略の企画・実行などを担当しています。

また、社長室の統括も担わせていただいていて例えば、オフィスに併設されているカフェの運営にも携わっているんです。

カフェに関しては、実は会議室をつくる予定だったんですよ。弊社CEOの翁が、小さな会議室で狭く区切るのではなく、もっとカジュアルにコミュニケーションが取れる開かれた場にしたらどうか、せっかくなら美味しいコーヒーでも出して、という意見を出したんです。

社員への福利厚生としても活用できるようなカフェスペースで、大きな空間にテーブルを散らばせて、どうせならディーンアンドデルーカとコラボレーションして社員全員が集まれるようなおしゃれなスペースにしようと話がまとまりました。

現在では、社員が気軽に集まれるカフェというだけではなく、他社にお貸出しをするイベントスペースとしても運用していて、ビジネスイベントやインフルエンサーイベントなどでも活用いただいています。

インアゴーラコーポレートサイトより)

−−お仕事の幅が広いですね。インアゴーラでの広報のお仕事でやりがいに感じる瞬間はどんな時ですか?

板野さんインアゴーラが事業としているのは越境ECで、日本の優れた商品やサービスを、中国をはじめとする世界のお客様に提供するプラットフォームを運営しています。

インアゴーラの日本オフィスには約120人の従業員がいますが、そのうち50人は中国人。さらに日本だけではなく中国にも北京・上海・杭州に拠点があるため、お互いに情報交換ができて、文化を越境できる感覚が楽しいですね。

私の個人的な感覚なのですが、日本では中国という国について、知らないことや誤解していることが多いと思っています。

国が違えば文化が違って、お互いに価値を感じるものも違います。

社内はもちろん、社外に対しても、こうした両国間のギャップを埋めたり、もっとお互いを理解し合えるような正確な情報を提供したりできる広報になりたいと思っています。

また、私たちは日本の商品を中国にお届けしているので、メインが中国のお客様なんですね。中国のお客様の反応で、日本の商品やブランドについてのポジティブなフィードバックを得られたりしたら、改めて日本社会に貢献できているなと、やりがいを感じます。

ーー比較的大きな会社からベンチャー企業に転職をして、働き方や自由度に違いはありましたか?

板野さんこれまで転職してきた企業を見ても、インアゴーラは圧倒的に人数が少なく、何よりベンチャーなので、1人当たりの責任や職務範囲が広がっている感覚がありますね。

今の会社で働きづらさを感じることはないですが、どこの会社でも中途で入社をする人はできるだけ早いうちにその人ならではの成果を出した方がいい、と思っています。半年以内がベストですね。そうすると会社から信頼を得られやすくなります。仕事における自由度はあとからついてくると思います。

「木々ではなく森を見る」時には楽観的に考えることも大切

--ご出産されて、仕事の進め方や価値観に変化はありましたか?

板野さん時間の使い方はもちろん、葛藤を受け入れるようになりました。

今まで仕事のチャンスも人脈も、最大限の時間をつかって得てきたと思い知っています。でも、こどもがいる今は、やはりそうはいきません。

現在は基本的には9時から17時の時短勤務で、毎日は残業できません。

時間が限られると、プライオリティをつけなければならないし、ときには取捨選択をしなければならないこともあって、私にとっては日々葛藤なんです。

例えば、私は、今まで夜の会食やイベントは、ネットワークを広げるためにも広報職には必要だと考えていましたが、時短勤務の今では、なかなか自由に参加できません。

また、オークローンマーケティングの時、私は12月のタイミングで家事や保育、業務体制を万全に整えたつもりで育休から復職したのですが、翌年の4月に同格だと感じていた同僚の男性が昇格していたのを見て、なんで彼が!と思ってしまったこともあります。出産となると、どうしても仕事を離れなければいけなくて、キャリアを考えると歯がゆいところがありますね。

当時、常務だった女性の上司に、「あなたがこれからキャリアを積む上で、悔しいことなんか絶対もっといっぱいある。だから覚悟をしておきなさい。」と言われたことを今でも鮮明に覚えています。

仕事をするにあたって、特に女性の場合、「俯瞰でみる」、「時には楽観的になる」のは大事だと思っています。

自分や他の人であっても、できないことを責めるのではなく、違うことを受け入れる。お互い違うことを認めて、できないことも補い合う。

「大義を得る」「森を見る」というように、ミクロではなく、マクロで捉えることができれば、少し楽観的に考えられます。

自分の仕事に対する責任感はもちろん大切ですが、葛藤を受け入れたり、柔軟に思考したりすることも大事だと思うようになりました。思うのと出来るのは、また別物ですが(笑)

--これまでのように120%仕事ができない中でも成果を出し続けるコツはなんですか?

板野さんそうですね、私の場合は38歳で出産なので、それまでの間にテクニックやノウハウをある程度身につけてられた気がします、要領もわかりますし(笑)

経験を積むことはすごく大事で、その経験を通して「ここは大丈夫」「ここは自分のリソースのこれくらいを使おう」「このくらいであればアシスタントの方に力をかりたほうが効率的」など、加減がわかるようになります。

こどもを産み、育てることは遅くても早くてもおそらく一緒ですよ。

早くにこどもを産んでいれば、仕事を頑張りたいタイミングでこどもが成長して仕事をバリバリ取り組めるかといえば一概にそうではないと思うんです。経験値が少なく、スキルもさほど身についておらず、プライベートに色々と抱えて効率的に働きステップアップしていくことは大変かもしれません。一方、遅ければ体力的にはどうしても無理がきかないのも事実です。朝が早くなった分、夜が弱くなりました。

ただ、「こどもがいるから100%仕事ができない」というのは違うと思うんです。

育児によって仕事の時間が思うようにいかず、支障が生じることがあっても、「今日の分の仕事はできないかもしれないけれど、週で帳尻合わせよう」などの工夫ができれば、1週間単位で見れば支障はありません。業務における火急案件においても、夫や家族、シッターのサポートが得られれば、職場に大きな迷惑をかけずに対応できます。仕事でもプライベートでも、信用が大切で、自分が必要とされるシーンでコミットしていたら、周りは理解してくれます。

ミクロではなく、マクロで考え、少し楽観的に考えてみる。

そうすると、仕事に長時間を割けないことに対する自分自身の葛藤も少なくなりますし、成果も出しやすくなると思っています。

キャリアの軸を明確に、点と点を線にする

--今後のキャリアで、板野さんが挑戦したいことはどんなことですか?

板野さん現在の会社は、リソースが少なく、まだ私がやらなくてはいけないこと・できることが多くあり、まずはそれらを片付けたいです。とはいえ、今私が頑張っていないかというと、100%頑張ってるんですよ! 

出産前も後も、仕事をするのは好きですし、仕事をしていない時間でも、触れる情報から仕事の発想をたくさん得られています。

オフィスワーカーは、職場や仕事、同僚を好きになると、ハッピーでいられると思うんですよね。

インアゴーラには気心知れたアマゾン時代の仲間や若い同志が多く、仲間と一緒に励ましあって頑張れる、頑張ろうと思えることが、私にとっての一番の励みです。

私はこれまでに4回の転職で5社での仕事を経験していますが、「広報」を軸に、キャリアをステップアップさせてきました。

私にとってキャリアチェンジや転職は、電車でどこかへ行くようなイメージで、乗り継がないと遠いところにはいけないと思うんですよ。

路線には必ず終点がありますし、より遠くまで行くにはいくつかの路線を乗り継ぐ必要があります。

もちろんずっと同じ路線で進むことも良いと思うのですが、ただ乗っているだけではなく、見る景色、環境を変えていくことが、仕事を楽しめる秘訣だと思っています。

こうしたキャリアの軸を見つけられると、今の仕事と次の仕事がつながりやすいですし、キャリアを一本の線にできます。キャリアチェンジや転職もポジティブなものになりますよね。

編集部より

楽観的に考え、少しでも変化を起こすことが、自分がハッピーに働くための秘訣。

いかがでしたでしょうか。

板野さんの「はたらくスタイル」をご紹介させていただきました。

キャリアチェンジや転職を考えるときに、「乗り継がないと遠いところにはいけない。同じところにいるのも良いけれど、何かを変えないといけない」という考え方に感化された方も多いのではないでしょうか。

目標としているビジョンがあっても、なかったとしても、描いているものを手にするためには転職したり、キャリアチェンジといった変化を起こしてこそ手にできることを教えていただきました。

また、仕事するにあたって楽観的に考えることの重要性もお話いただきました。

責任感を持ちつつ楽観的に考えることは、キャリアを長期的に考えたり、ライフイベントを迎えたときに100%以上の熱量で仕事ができずに悩んだとしてもハッピーでいるためのひとつのノウハウではないでしょうか。

インアゴーラでは多国籍な環境のこと、ひとりひとりが責任をもちつつ、お互いを認め合いながら事業を推進している、まさにダイバーシティを体現している企業です。

スタートアップだからこそ責任範囲が広いだけでなく、ダイバーシティが当たり前の文化が根づいているため、さまざまな人を受け入れ、活かしていきながらひとりひとりがやりがいをもって働いている印象をうけました。

板野さんの「はたらくスタイル」を通して、みなさんの働き方やキャリアを考えるきっかけになればうれしいです。

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