
INTERVIEW
女性がそれぞれの志向・ライフスタイルに合わせて働き方を選択できる世の中。
Style企画では、事業内容や雇用条件ではなく、ひとりひとりの働き方や志向性をもとに、女性が転職活動やキャリアを考えるきっかけづくりができればと思っています。
そんなStyle企画の第26弾は、アソビュー株式会社の真木望さんにインタビュー。
こども3人のママでありながら、やりたいことを実現する力をつけるために株式会社リクルートジョブズからスタートアップであるアソビュー株式会社に転職。
自身が会社の女性にとってロールモデルになりながら働く真木さんの「はたらくスタイル」をお届けします。
真木望さん|アソビュー株式会社 コーポレート部 人事
2007年新卒でリクルートHRマーケティング(現株式会社リクルートジョブズ)に入社し、HR事業に従事。営業、営業企画、人事の経験を経て、2018年1月にアソビュー株式会社に人事として入社。現在は採用・制度設計・組織づくりなどの人事業務に従事。プライベートでは、現在10歳の長男、7歳の双子(全員男児)のママ。
アソビュー株式会社
2011年3月に創業。「ワクワクをすべての人に」をミッションとし、遊びのマーケットプレイス「asoview!(アソビュー)」や、とっておきの非日常の時間をプレゼントできる「asoview!GIFT」を運営。現在では全国約7,000店舗の事業者と提携し、国内の遊び・体験プログラムを約450ジャンル・約20,000プランを紹介。日本最大級のレジャー・遊び・体験予約サイトとして「パラグライダー」や「ラフティング」など地の利を活かしたアウトドアレジャーのほか、「陶芸体験」や「そば打ち体験」など地域に根ざす文化を活かした魅力的な体験プログラムなどにも力を入れている。近年伸びている訪日外国人観光客向けに海外OTA経由での販路を拡大するなど、利用顧客数が成長している。
真木さん以前はリクルートジョブズに勤務し、「今日よりも明日の方が幸せだ」と思える人を増やして、「より良い社会を創りたい」という思いをもって働いていました。
前職で2回の産休・育休を取得していますが、最初の復職時は、はじめての育児と両立しながら営業の最前線で仕事をすることにどうしても不安があったため、営業企画として営業を支える立場として復職をしたんです。
今思えば、営業企画の仕事で経験したことは、結果的に今のキャリア選択に通じていると思います。
出産前は目の前のお客様のことばかりに夢中になっていましたが、営業企画として働いてみると営業組織全体の売上やKPI設計、施策の企画立案などに関わることで、徐々に顧客だけではなく、従業員にも意識が向くようになりました。
営業を支える立場になってはじめて、会社視点をもつことができるようになったんです。
真木さん次の復職時は、営業リーダーとして復職したんです。
営業企画としてキャリアを積むなか、2度目の妊娠が発覚し、しかも双子を産むことになって。
一度目の復職の時に感じた不安感は2度目にはなく、長男の出産や育児よりも大変になるだろうと思いながらも、仕事で「現場で目に見える成果を出したい」という、「挑戦したい!」気持ちを強く持っていたんです。
当時は、時短で働くママがリーダーや営業として復職するケースは多くありませんでした。
正直私も最初の復職では、「自分になんてできない」「早く帰るのは組織に申し訳ない」「責任のある仕事はできれば他の人にお願いしたい」と後ろめたい気持ちがあり、正直「挑戦的な仕事から逃げたい」と思っていたんです。
しかしだんだんと「トップを獲るって、かっこいいかもしれないな」「私に続いてもらえるようなロールモデルをつくりたいな」という気持ちが強くなって。
結果的に、双子の出産後、2度目の復職のタイミングで営業リーダーとしてチームに戻ることに決めたんです。時短でも、大きな責任を持って仕事ができることを証明したかったのかもしれませんね。
少し回り道にはなってしまったのですが、自分の働き方やありたい姿を改めて考えることができ、ライフイベントを機にジョブチェンジをした経験は私の中ではとても大きかったと思います。
今となっては、キャリアを選択するときは、「たぶんこっちの方が難しいだろうな。険しいだろうな」と思う道を選択します。
つらいこともありますが達成感が大きい分、喜びも大きいはず。成果を残すという経験があるからこそ険しい道をあえて選びたいと思うし、ワクワクしますね。
真木さん営業企画の時に感じたことから、チームを任せてもらう上で、自分が担当しているメンバーが「この会社で働くことが圧倒的に楽しい」と思ってもらえるように意識して関わっていました。
リクルートは表彰制度が充実しており、営業リーダーとして携わるチームでMVT(Most Value Team)を受賞することもできたんです。もともと個人で受賞することが何よりのモチベーションだと思っていたのですが、チームでの受賞がとてもうれしくて、私にとっては今までにはない喜びでした。
「やっぱり仕事が楽しい」「真木さんのようなリーダーになりたい」と言ってくれるメンバーが増えるにつれ、「こういうメンバーをもっと育てたい」と感じるようになって、私自身も新しいキャリアパスとして人事教育に異動する決意をしました。
真木さん前職では人事教育の仕事を3年ほど経験し、教育と組織づくりをメインに組閣や評価や査定などの取りまとめも学びました。
前職は、歴史ある大きい会社だからこそですが、仕組みがしっかり整っていました。ですが、整っているからこそ時代に乗りきれてない部分もあったように感じていました。
たとえば、1,600名ほど在籍している会社ですが、施策はトップダウン。つまり「上から指示されたルールを、突貫工事で調整する」というような業務が多かったように感じています。
「人事や教育に携わる部署は、現場に最も近い存在でいたい」と思っていた私にとって、実行することのほとんどがトップダウンであることは、必ずしも社員の幸せにつながっているとは言えないのではないかと、モヤモヤする気持ちを感じる事が多かったです。
しかし、私ひとりが現場で訴えても、変化するには相当な時間と労力が必要でした。
「自分自身の力不足によって新しい施策ができないのであれば、一度他の会社で会社や仕組みをつくるという経験をして力をつけてみよう」と考えたことが転職のきっかけです。
決意したのは、双子のこどもが小学生になる1年前のタイミング。
従業員規模の小さな会社で経験を積もうと考えた時、今とは働き方を変えなければいけない事もあるかもしれないと考えると、こどもが小学生にあがり、慌ただしくなる前に転職先の環境に慣れておくといいだろうと思い、転職することにしました。
真木さん実は、アソビュー代表の山野は前職の同期なんです。もともとアソビューのことは知っていましたが、そこに入社を決めるとは、当時想像もしていませんでした(笑)
従業員規模が小さく、組織づくりに携われる会社を志望して、興味のある分野のベンチャー企業を探したところ、何社か気になる企業がありました。SNSを使って各会社の社長を調べていたのですが、どこの企業も山野とつながっているんです(笑)
偶然ではありましたが、当時「この会社を受けてみたい」と山野に転職の相談にものってもらっていました。
そんな時「真木はどんな仕事がしたいの?」と質問をされ、「ベンチャー企業で会社づくりに携わりたい」と伝えたところ、「それはうちでもできると思うよ」という話になって。
信頼する同期という感覚で接していたため、アソビューが転職先の候補として当時は頭にありませんでしたが、そう言ってもらった時は素直に嬉しかったんです。
「他のメンバーにも会って話をしてみなよ」と言ってもらえたことがきっかけで、トントン拍子で入社を決意しました。
もともと腹を割って話ができる関係だったということが大きなメリットではありましたが、「こんなことやりたい」「こういう会社を創りたい」という私の考えを受け止めてもらえたこと、何より代表の山野が創りたい会社のイメージにとても共感したことが転職を後押しした要因です。
「できないことをできるようにするためにはどうしたらいいのか」を考える時、制約条件が多いとくじけそうになることもあるのですが、「私が創りたい会社ってどんな会社だった?」とビジョンに立ち戻ることができれば、苦しくても踏ん張れます。
大変なことがあっても、それを乗り越える力はビジョンへの想いの深さだと思っています。
真木さん入社後は、人事業務全般を任せてもらっていて、採用、評価、育成など幅広く担当しています。加えて、アソビューでは広報業務もはじめて経験することになりました。
採用では「この会社っておもしろい」「この会社がやっていることって楽しそう」と思ってもらうことが大事だと思うんです。つまり、主体的に発信していく広報も注力すべきポイントだと考えました。
ただ、正直なところ、広報に関しては経験がないため右も左もまったくわかりませんでした。現在は、人事業務を担当していますが、広報も兼任していた当初は事業部のメンバーも巻き込んで広報活動を進めていました。
会社全体が快く広報活動の手助けをしてくれるのは、「会社をもっと良くしたい」「事業を良くしたい」「市場を盛り上げていきたい」と、掲げるビジョンやミッションに共感しているメンバーが多いアソビューだからこそ。
自分の仕事に直結しない事でも「ミッションを達成する」事に通じる事は躊躇なくみんなは協力する。
ここはアソビューの社風であり、とても良いところだなと思います。
真木さん当たり前の事過ぎてお恥ずかしい話ですが、転職後はとにかく調べ、考え、工夫することが多くなりました。
いわゆる大手企業だった前職では、聞けば誰かが情報を持っていたり、何かを知っていたり、経費で手に入るものも多くありました。業務も細分化されているので、どうしても受け身のスタンスになってしまいがちです。
アソビューのようなベンチャー企業では、人が少ないからこそ、自分の業務だけではなくて「その次につながることは何なのか」を考え、みんなが協力し合う社風があります。
仕事に対し、主体的な仲間が多いので、「同じ夢に向かって頑張っている」「みんなで会社をつくっている」と感じることができますね。
私がアソビューに入社したタイミングで、時短勤務をしているメンバーは6名ほどいました。時短勤務に関しても理解が深い印象です。
経営メンバーにも共働きで働くパパは多く、「ママだから」ではなく、皆等しく「限られた時間の中で生産性高く成果を出すことに対し評価をしよう」という考えを持っているので安心感があります。
ベンチャー企業と聞くと、「夜と朝の境目はないんでしょう?」「会社で寝泊まりしているんでしょう?」と、ブラックなイメージを持たれがちですが、会社の想いを知れば知るほど働くことが楽しくなると感じています。
真木さん大手から、ベンチャー企業での挑戦を選んだ経験から、私のようなロールモデルをどんどんつくれたらいいなと思っています。
アソビューは平均年齢も比較的低く、若い会社です。これからライフステージが変わっていく女性社員に対してはもちろんですが、転職市場にいる女性に対しても、「ベンチャーで活躍するのもいいな」「育児出産を経ても思ったように働き続けられるんだ」と思ってもらえるように、私自身がロールモデルとして活躍していきたいですね。
また、私が人事教育に携わりながら広報も兼務しているように、「キャリアの幅を広げることができる」ことも、証明していきたいです。
3人のこどもを育てながら、100%で仕事にチャレンジするためには、「会社に理解してもらうこと」と「こどもたちに理解してもらうこと」はとても重要だと考えています。
私自身も、家では仕事の愚痴や疲れは一切言わないと決めています。「働くって楽しんだ」とこどもたちに思ってもらえたらうれしいですね。
また、「あったらいいな」と思う制度を提案するなど、会社がさらに成長していくために必要なことを実現していきたいと思っています。
入社したばかりの頃、こどもが病気で看病せねばならず、出勤できないことがありました。しかし、私自身は元気なので、家で仕事ができるのであれば欠勤せずに、仕事を進めることができます。
そう思って、看護にともなうリモート勤務を可能にする制度を提案し、導入しました。わがままな提案はしたくないですが、今後私に続くママたちの「仕事がしたい」という想いを無駄にすることはないかなと思うと、提案してよかったと思います。
ママが働くことは決してマイナスではなく、「働くママはかっこいい」「ママがイキイキと働いていることが会社にとってプラスになる」など、ポジティブなイメージを持ってもらいたいです。
いかがでしたでしょうか。
アソビュー株式会社で働く真木さんの「はたらくスタイル」をご紹介させていただきました。
大手企業で営業、営業企画、営業リーダー、人事教育と幅広いキャリアチェンジを経験したとしても、自分がやりたいこと、正しいと思うことを優先し、条件ではなくビジョンが合致した企業でゼロからチャレンジする姿が印象的でした。
きっと読者のなかには、「もっとこうしたらいいのに」「今の施策は本質的ではないのに」と思うことがあっても、「会社のスタンスが変わらないのであれば仕方がない」と思うことが時にはあるかもしれません。
ただ、本当に実現したいことがあるとしたら、諦めたり、会社を責めたりするよりも実現できる環境に身を置いて前に向かっていく方が、なりたい自分に近づくのではないでしょうか。
また、アソビューは性別も年齢も経験もライフイベントも関係なく、対等に仕事をしたり、評価をされたりする文化があります。ビジョンで集まっている会社であるため、会社のためになることをひとりひとりが自分事ととらえ、動いていけるメンバーが在籍していらっしゃいます。
ベンチャー企業は発展途上であるため不安を感じることがあるかもしれません。ただし、アソビューには平等にチャンスがあって、みんなが会社のことを考えて行動できる組織。
それであれば、助け合ったり、励まし合ったりしながら会社を成長させていくことができるため、ひとりで頑張る必要はなくみんなで頑張ることができるスタートアップであることがうかがえました。
真木さんの「はたらくスタイル」を通して、みなさんの働き方やキャリアを考えるきっかけになればうれしいです。
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